恵美須ヶ鼻造船所跡

山口県萩市にある恵美須ヶ鼻造船所跡は、洋式の帆船を長州藩が造っていた造船所の跡で、国の史跡、世界文化遺産に登録されています。

185年、幕府の要請を受けて恵美須ヶ鼻造船所を長州藩建造しました。建造にあたり、長州藩は木戸孝允の軍艦を製造する際の意見書を参考に、伊豆と江戸に洋式の造船技術と運転技術を学ばせるため、尾崎小右衛門を派遣しました。

萩に戻った尾崎は、船大工棟梁と共に近くの海を視察し、恵美須ヶ鼻に造船所を作ることを決定しました。

こうして建造された恵美須ヶ鼻造船所では、1856年12月にロシアの造船技術を使った｢丙辰丸｣を建造、その後造船所は一時閉鎖されましたが、翌年にはオランダの造船技術を用いた｢庚申丸｣を建造しています。丙辰丸建造の際には、同じく世界文化遺産に指定されている、大板山たたら製鉄所の鉄が使用されました。