世界文化遺産
世界遺産の登録数の中でも、最も数の多いのが文化遺産です。歴史ある建造物などが、現在でも世界中で大切にされているという証拠でしょう。私たちはこの財産を次の世代へとバトンタッチして受け継いでいかなければなりません。
文化遺産とは
歴史的にとても意味があり、且つ芸術的な建造物や遺跡、記念碑などで研究上、大変重要なものが登録されます。この地球上から失われてはいけない、人類皆で協力しあい、保護し、次の世代へと受け継いでいこうとするものです。自然遺産同様、文化遺産候補を登録に向けて、調査する機関があります。ICOMOSという機関です。
ICOMOSとは
ICOMSはInternational Council on Monument and Sitesの略で、国際記念物遺跡会議のことをいいます。1965年に設立されたこの機関は、非政府国際機関(NGO)で、ユネスコに提出された世界文化遺産暫定リストより現地に赴き、調査報告書を作成して世界遺産委員会に提出します。このICOMOSによる評価は、ユネスコの本部で開かれるビューローという小委員会で予備の審査が行われ、さらにビューローで出された結果を世界遺産委員会で審査されます。ここで登録か否かが決定されます。
ICOMOSを驚かせた推薦物件
世界遺産暫定リストにより推薦され、ICOMOSの調査が入ったのですが、調査員を驚かせてしまった事件(?)がありました。他ならぬ我が国、日本でのことです。暫定リストに載っている東北の平泉を国際専門家会議で視察に訪れたときの話です。「平泉町の金鶏山に見える鉄塔、あれは何かの間違いだと思った」と顔をしかめたそうです。文化遺産に登録されるには景観も重要なものになります。それが山の頂に鉄塔があったのでは顔をしかめても仕方のないことです。すぐに電線を地中に埋める工事に取りかかったのは言うまでもありません。この他にも違法看板なども多く、景観に影響してしまいます。平泉の中尊寺と毛越寺の中間にある金鶏山。何世紀も変わらぬ地形のままの田園風景、世界文化遺産に暫定リストに載るのも当然といえば当然です。あとはまわりの景観だけなのですね。ぜひ文化遺産に登録されてほしいものです。
文化遺産のカテゴリー
世界文化遺産もまた、自然遺産同様にICOMOSによって三つにカテゴリー分けされています。文化遺産の一部を例に挙げて紹介していきましょう。
Monument(記念工作物)
芸術や歴史の上で、記念碑的な価値の認められる建物などが対象となります。ドイツのケルン大聖堂などのように、独立した建造物として登録されるものは、通常このカテゴリーに入ります。
Group of Buildings(建造物群)
独立した建物ではなく、いくつかの建造物群が一つの群として評価されたものをいいます。ポルトガルのポルト歴史地区のように、町並みを登録されるときにはこのカテゴリーに入ります。ベルギーとフランスの鐘楼群のように、景観がまとまっていなくても「建造物群」として分けられる場合もあります。
Site(サイト)
建物にとどまらず、地域一帯を対象としたものがこれに入ります。「遺跡」と混同されやすいのですが、そうではありません。ガンビアのジェームズ島と関連遺跡群や、タンザニアのキルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群などの他に、フィリピンのコルティリェーラの棚田群などのように、農業文化の優れた継承地域なども対象となっているのです。
産業遺産
文化遺産の中に、産業遺産というものがあります。定義はないのですが、歴史的に価値のある産業に関わる遺跡や遺構、遺物に分けられます。世界的に見ても、文化遺産の中でも産業遺産としての登録数は少なく、その少ない中で登録された【石見銀山とその文化的景観】はとても貴重なものといえます。
日本の世界文化遺産
日本にも文化遺産が数多く登録されています。大きく分けて、「法隆寺地域の仏教建造物」や「古都京都の文化財」「古都奈良の文化財」など、全部で10件登録されています。
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