世界遺産

  1. HOME
  2. 世界遺産とは
  3. 世界遺産に登録されるまで


世界遺産に登録されるまで

世界遺産に登録されるには、世界遺産条約を結ばなければいけません。すぐには登録にはならず、様々な流れを経て、晴れて世界遺産に認定されるのです。それでは登録されるまでの流れを追ってみましょう。

スポンサードリンク

1:世界各国の政府

まず一番先にしなければいけないのは、世界遺産条約の加盟国にならなければいけないということです。そして、世界遺産に推薦したいという物件を持つ県や市町村が政府(文化庁、環境庁、林野庁)に対して資料と共に要望書を提出します。要望を受けた文化庁などは、文化審議会などに報告し、世界遺産条約関係省庁連絡会議(文部科学省、国土交通省などで構成)にて協議をし、国内の世界遺産暫定リストを作成して、外務省を通してユネスコ世界遺産センターに提出します。

※暫定リストに載っている物件から、原則として、条件の整っているものを1年に各国1件、ユネスコ世界遺産センターに推薦できます。世界遺産をもたない国はこの限りではありません。

2:ユネスコ世界遺産センター

ユネスコ世界遺産センターでは、各国からの推薦書を受理したら、種類別に、文化遺産の場合はICOMOS(国際記念物遺跡会議)に、自然遺産の場合はIUCN(国際自然保護連合)の専門的機関に現地での調査の実施を依頼します。

3:現地調査

ユネスコ世界遺産センターから依頼を受けたICOMOSとIUCNが、現地で専門家による調査を行います。推薦された物件の価値、保護や保存状態、将来に向けての保存や管理の計画などを評価して報告書を作成します。この報告書がユネスコ世界遺産センターに提出されます。

スポンサードリンク

4:世界遺産委員会

世界遺産委員会はこれらの報告書に基づいて、世界遺産リストに登録するかどうかを決めます。決めるのは確かに委員会ですが、現地調査や意見の提出がかなり影響しますので、ICOMOSとIUCNの存在もかなり大きなものになります。仮に世界遺産に登録されなかった場合、同じ物件は再度申請することはできません。

世界遺産に登録される条件

登録されるには自国だけではなく、世界的に見ても価値が認められることが必要です。世界遺産の登録基準もあり、最低一つは満たしていることが望まれます。登録後も、将来に向けての管理計画などがしっかりされていることも要求されます。登録後の保全状態も6年ごとに報告しなければならず、世界遺産委員会での再審査をうけることになります。2005年以前は、文化遺産や自然遺産別に基準が定められていましたが、2005年2月からは、統合した形での基準に変わりました。

登録基準

(1) 人間の物を作り出すことへの才能を表わす傑作であるということ。

(2) 建物、技術、記念碑、景観設計、都市計画の発展を、ある期間やある文化圏によって人々が価値の重要な交流を示していること。

(3) 現在も存在する、またはすでに消失してしまった文化的な伝統や文明に関する、独自な、あるいは稀な証拠を示していること。

(4) 人間が営んできた歴史の極めて大切な段階を表わしている建築様式や技術的な集合体、素晴らしい眺めなどに関する、とても優秀な見本であること。

(5) 歴史の流れにより、その存続が危ぶまれているもの、文化を代表するような伝統的集落、土地の利用に周囲とは違ってひときわ目立つ例。

(6) 際だって普遍的な価値を有する出来事や、現在まで受け継がれている伝統や思想、信仰、または、芸術的作品や文学的作品と、直接か明らかに関連しているもの。(他の基準と組み合わせて採用されるのが望ましいとされています)

(7) 同じような例を見ない自然の美しさや、美的要素をそなえた優れた自然現象や地域を含むこと。

(8) 地球の歴史上の特に大切な段階を示す、誰が見ても明らかに見本になるもの。(生物の記録や地形発達などの地理学的な進行の過程、地形の特性や自然地理的な特性も含まれる)

(9) 陸の上、淡水海水域、動物や植物の進化や発展に、進行しつつある大変大切な生態学的、生物学的な過程を代表するものであること。

(10) 生物の様々な種類の野生状態での保全にあたり、最も重要である自然の環境があること。これには絶滅の危機にある種も含まれます。

※2007年以降の登録には、以上の基準が適用されます。(1)~(6)は文化遺産、(7)~(10)は自然遺産、両方の基準で登録するものは複合遺産になります。

世界遺産登録基準注釈

※当サイトは、世界遺産の登録基準を分かりやすい言葉で表記しています。正規の登録基準の表記は、社団法人日本ユネスコ協会連盟のホームページに記載されています。

  1. 社団法人ユネスコ協会連盟 世界遺産活動
  2. 世界遺産登録基準

スポンサードリンク

注目の世界遺産
  1. 岩手県・静岡県
  2. 橋野鉄鉱山・高炉跡橋野鉄鉱山・高炉跡岩手県釜石市にある橋野鉄鉱山・高炉跡
  3. 韮山反射炉韮山反射炉静岡県伊豆の国市にある韮山反射炉は
  4. 山口県
  5. 萩反射炉萩反射炉口県萩市にある萩反射炉は、静岡
  6. 恵美須ヶ鼻造船所跡恵美須ヶ鼻造船所跡山口県萩市にある恵美須ヶ鼻造船所跡は
  7. 大板山たたら製鉄遺跡大板山たたら製鉄遺跡山口県萩市にある大板山たたら製鉄遺跡は
  8. 萩城下町萩城下町萩城は、1604年に毛利輝元が築いたお城で
  9. 松下村塾松下村塾吉田松陰が主催していた松下村塾は、高杉晋作
福岡県の世界遺産
  1. 福岡県
  2. 三池炭鉱 宮原抗三池炭鉱 宮原抗三池炭鉱宮原抗は、三井に明治政府から
  3. 三池炭鉱 万田抗三池炭鉱 万田抗池炭鉱 宮原抗の1.5kmの場所に隣接している
  4. 三池炭鉱専用鉄道敷跡三池炭鉱専用鉄道敷跡馬車鉄道としてスタートした三池炭鉱専用鉄道
  5. 三池港三池港三池港は、1908年3月に竣工した港で
  6. 官営八幡製鐵所関連施設官営八幡製鐵所関連施設新日鐵住金八幡製鉄所として、1901年
関連記事
  1. アメリカ大陸の世界遺産アメリカ大陸の世界遺産自由の女神やグランド・キャニオンなど
  2. アフリカ大陸の世界遺産アフリカ大陸の世界遺産文化遺産だけではなく、自然遺産も
  3. オセアニア大陸の世界遺産オセアニア大陸の世界遺産タスマニアデビルで有名なタスマニア
  4. ヨーロッパ大陸の世界遺産ヨーロッパ大陸の世界遺産ヨーロッパ大陸の世界遺産
  5. アジア大陸の世界遺産アジア大陸の世界遺産アジア大陸で、日本以外で世界遺産に登録されているもの
  1. 京都の世界遺産
  2. 上賀茂神社
  3. 下鴨神社
  4. 東寺
  5. 清水寺
  6. 延暦寺
  7. 醍醐寺
  8. 仁和寺
  9. 平等院
  10. 宇治上神社
  11. 高山寺
  12. 苔寺
  13. 天龍寺
  14. 金閣寺
  15. 銀閣寺
  16. 龍安寺
  17. 西本願寺
  18. 二条城
  19. 奈良の世界遺産
  20. 法隆寺地域の仏教建造物
  21. 東大寺
  22. 興福寺
  23. 春日大社
  24. 元興寺
  25. 薬師寺
  26. 唐招提寺
  27. 平城宮跡
  28. 紀伊山地の霊場と表詣道
  29. 吉野・大峯
  30. 熊野三山
  31. 高野山
  32. 日光の社寺
  33. 二荒山神社
  34. 輪王寺
  35. 日光東照宮
  36. 姫路城
  37. 厳島神社
  38. 琉球王国のグスク及び関連遺産群
  39. 1日でまわれるコース
  40. その他の遺産群
  41. 白川郷・五箇山の合掌造り集落
  42. 白川郷
  43. 五箇山
  44. 原爆ドーム
  45. ◇石見銀山とその文化的景観◇◇平泉◇
  46. 富士山
  47. 静岡県の構成資産
  48. 山梨県の構成資産
  1. 屋久島
  2. 白神山地
  3. 知床
岩手県・静岡県new
  1. 橋野鉄鉱山・高炉跡
  2. 韮山反射炉
山口県new
  1. 萩反射炉
  2. 恵美須ヶ鼻造船所跡
  3. 大板山たたら製鉄遺跡
  4. 萩城下町
  5. 松下村塾
福岡県new
  1. 三池炭鉱 宮原抗
  2. 三池炭鉱 万田抗
  3. 三池炭鉱専用鉄道敷跡
  4. 三池港
  5. 官営八幡製鐵所関連施設
佐賀県・熊本県new
  1. 三重津海軍所跡
  2. 三角西港
鹿児島県new
  1. 旧集成館~反射炉跡
  2. 旧集成館~機械工場
  3. 旧集成館~旧鹿児島紡績所技師館
  4. 寺山炭窯跡
  5. 関吉の疎水溝
長崎県new
三菱関係
  1. 三菱長崎造船所
その他
  1. 小菅修船場跡
  2. 高島炭鉱
  3. 端島炭鉱(軍艦島)
  4. 旧グラバー住宅
  1. 世界遺産の歴史
  2. 世界遺産に登録されるまで
  3. 国別世界遺産の登録数

  1. 世界自然遺産
  2. 世界文化遺産
  3. その他の種類
  1. アメリカ大陸の世界遺産
  2. アフリカ大陸の世界遺産
  3. オセアニア大陸の世界遺産
  4. ヨーロッパ大陸の世界遺産
  5. アジア大陸の世界遺産