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世界遺産の種類
世界自然遺産

世界自然遺産

世界遺産の中でも、自然遺産のことについて触れていきたいと思います。どのようなものが自然遺産として登録されるのでしょうか。基準や登録されているものを見ていきましょう。

自然遺産とは

世界遺産の中で、カテゴリーで自然に分けられたものです。登録される基準は【世界遺産に登録されるまで】の中の｢世界遺産に登録される条件｣を参照してください。自然遺産は景観や地形はもとより、地質や動植物の生態系、絶滅の危機に瀕している動植物の生息や生息地も含む地域です。世界遺産委員会より調査を依頼されたIUCNという機関が現地に赴き、詳しく調査を行います。

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IUCN（国際自然保護連合）とは

IUCNは全世界の協力で、国家や政府機関、非政府機関で1948年に構成された自然保護機関のことで、もちろん日本にもIUCN日本委員会があります。世界遺産に関しても、重要な役割をしています。ユネスコの世界遺産委員会に対して、技術的な評価を自然遺産候補に対して下す、公式な諮問機関です。IUCNのWCPA（世界保護地域委員会）が軸となって、技術的な評価や調査を自然遺産に対して行います。WCAPがその地域を調査して、登録基準である｢優れて普遍的な価値｣があるのか、他の共通点のある遺産と比較します。さらに、その自然性や保護の制度も調べ、自然遺産の登録について意見や助言を述べます。

自然遺産のカテゴリー

世界自然遺産は、IUCNの自然保護区域分類でいくつかに分けられています。全部は紹介できませんが、登録されている一部を見てみましょう。

厳正保護区域

ゴフ島野生生物保護区（イギリス領）、マディラ島の照葉樹林（ポルトガル）、ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区（マダガスカル）

厳正自然地域

白神山地（日本）

国立公園

イエローストーン（アメリカ合衆国）、シミエン国立公園（エチオピア）、グロス・モーン国立公園（カナダ）

天然記念物

ハロン湾（ベトナム）、黄龍の景観と歴史地域（中国）

種と生息地管理地域

シュンドルボン（バングラディッシュ）、エオリア諸島（イタリア）、ヴァレ・ド・メ自然保護区（セーシェル）

景観保護地域

グレート・バリア・リーフ（オーストラリア）、ビアナのカランケ、スカンドーラ自然保護区を含むポルト湾、ジロラータ湾（フランス）、武陵源の自然景観と歴史地域（中国）

資源保護地域

ンゴロンゴロ保全地域（タンザニア）、雲南保護地域の三江併流群（中国の一部）、ワディ・アル・ヒタン（エジプト）

カテゴリーに入らないもの

オーストラリアのほ乳類化石地域、四川省のジャイアントパンダ保護区（中国）、アグテレック・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群（ハンガリー/スロバキア）

日本の世界自然遺産

基準に一つでも当てはまれば候補として申請できるのですが、自然遺産基準全てに当てはまっているものは、バイカル湖やグレート・バリア・リーフなど、10件以上にものぼります。日本で登録されている世界自然遺産は、屋久島、白神山地、知床の3ヶ所になります。日本の象徴とも言える富士山が登録されていない訳は、ゴミ問題にあるようです。自衛隊の演習場が富士山の近くにあるのも問題になっているようで、演習場がなくならない限り、世界遺産の登録は無理ではないかとの意見もあります。山小屋がある限り、観光客がいる限り、ゴミや糞尿の問題は、なくならないのかもしれませんが、一人一人が意識をして取り組めば、こちらの問題は改善されるような気がするのですが……。もし登録となったら、｢富士山と周辺の文化的景観｣となるのでしょうから、自然遺産ではなく、文化遺産になるのかもしれませんね。