その他の種類世界遺産
ここでは今まで紹介してきた世界自然遺産や、世界文化遺産の他にも、世界複合遺産や、危機遺産、無形遺産について紹介していきましょう。種類にも色々ある事がわかってもらえると思います。
世界複合遺産
複合とあるように、文化遺産と自然遺産の基準の両方に当てはまるものをいいます。登録基準には、文化遺産と自然遺産に焦点をあてたものがありますが、一項目ずつ当てはまるものがあれば複合遺産となります。自然環境と人類の生活や営みが、ともに普遍的な価値を持つものと認定されることが条件となります。複合遺産は、中国が4件と最も多く、次いでオーストラリアの3件になります。800以上ある世界遺産の中で、複合遺産の多い件数が4件、全体的に見ても30件に満たなく、両方の基準を満たすものがそれだけ少ないということなのです。その中でも、中国の泰山は、基準を七項目も満たしている珍しいケースといえるでしょう。
世界無形遺産
世界無形遺産は、2003年に開かれた、第32回ユネスコ総会で採択された、無形文化遺産保護条約に基づいて、形のない、世界的に価値のある文化財が登録されたものです。形のない文化財は保護していくのが難しいために、新たな枠組みとして作られました。この無形文化遺産保護条約は、条約を結んだ国が30ヵ国を超えてから3ヶ月が経過しなければ発効できない決まりに基づき、採択されてから3年後の2006年4月20日にようやく発効されたものです。世界無形遺産リストには2種類あり、代表リストである「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」と、危機リストである「緊急に保護する必要のある無形文化遺産の一覧表」とがあります。対象となるものは、民族音楽やダンス、劇などの芸能ものや伝承、儀式、祭礼、社会的習慣や伝統工芸技術、文化空間などになります。日本での登録は、「能楽」「人形浄瑠璃文学」「歌舞伎」の3件になります。
危機遺産
危険にさらされている世界遺産のことを危機遺産と呼びます。世界遺産に登録されているもので、その価値や値打ちを揺るがすような脅威にさらされているものや、そういうおそれのあるものを言います。危険遺産と認定するのは世界遺産委員会です。認定された世界遺産は「危機遺産リスト」に加えられます。もちろん危機的状況が解消されればリストからはずされますが、反対に、その危機にさらされたことにより、世界遺産としての価値がなくなってしまったと判断された場合には、元々の世界遺産リストからも除外されてしまう場合もあります。
危機遺産の登録基準
世界遺産の登録基準には該当してほしくても、この危機遺産の基準には該当してほしくないと、どの国でも思うことでしょう。さっそく基準を見ていきましょう。
文化遺産
1:決定的危機
- 材質の深刻な悪化
- 構造や都市計画上により、統一性が取れなくなった場合」
- 構造や装飾的特質の深刻な悪化
- 都市空間や農村空間、自然環境の重大な悪化
- 歴史的な事実の顕著な喪失
- 文化的意義の重要な喪失
2:潜在的危機
- 世界遺産になっているものの保護の度合いを弱める法的地位の修正
- 保存政策が欠けていること
- 橋をかけるなどの地域的な計画の脅威的な効果
- 武力衝突が起きたりした場合
- レンガが風化するなどの、地理的や自然的、環境要因によっての変化
自然遺産
1:決定的危機
- 自然的要因や人工的要因に関わらず、保護に値すると評価される元となった絶滅危惧種や、価値のある種の著しい減少
- 色々な人工的な原因により、自然美が失われつつあったり、科学的価値が深刻に劣化した場合
- 登録されている自然遺産の完全性をゆるがす、上流部や境界部への人工の流入
2:潜在的危機
- 地域における法的保護の位置づけが修正された場合
- 登録地域の中やその周辺を脅かす場所での開発や再入植
- 武力衝突が起きたりした場合
- 管理が十分になされていなかったり、その管理システムの欠如があった場合
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- 福岡県
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