その他の種類
世界遺産にも種類があります。大きく分類されているのは二つですが、その他にも何種類かに分けることができます。詳しくはそれぞれのページで紹介していきますが、このページでも少しだけ触れてみましょう。
どんな種類がある?
種類には、文化遺産、自然遺産、複合遺産と大きく3つに分けられます。更には、形のない無形遺産というものも近年新たに誕生しました。これらの世界遺産全体に対して、危機遺産というものもあります。これは、世界遺産に登録されているものが、あらゆる理由によって、危機にさらされているものが登録されます。登録は世界遺産委員会が決めます。
危機遺産に登録された国
危機遺産に登録されると、世界遺産の登録自体も危ぶまれる場合もあります。詳しくは【その他の種類】を参照してください。世界遺産登録の目的とは、歴史ある建造物や自然を保護し、これから先の世代へと受け継いでいこうとするものです。ですから、危機遺産のリストを作成し、リストに登録された物件を救済することが、最も重要な大切な活動であるとすることもあります。
登録抹消の危機
危機遺産リストに登録され、この先世界遺産の価値がないと認められた場合、世界遺産の登録を取り消される場合があります。反対に、危機を脱した場合は、もちろんこの危機遺産リストから、晴れてはずされることになります。珍しいケースとして、タリバンによって破壊されたバーミヤンの大仏のように、危機遺産を念頭において、危機遺産への登録と同時に世界遺産への登録が行われたケースもあります。
世界初の登録抹消
2007年6月28日に開催された世界遺産委員会で、1975年に世界遺産条約が発効されてからはじめて、もちろん世界でも初の世界遺産の登録から抹消された物件があります。それは自然遺産に登録されているオマーンの【アラビアオリックスの保護区】が世界遺産から登録抹消が決まったのです。この保護区は希少動物で、ウシ課でレイヨウの一種のアラビアオリックスが生息していて、世界遺産には1994年に登録されています。登録を抹消されたいきさつは、「条約履行のための作業指針」に違反していて、「顕著な普遍的価値」を破壊するものとして抹消が決まったのです。世界遺産はその物件を持つ国はもちろんのこと、人類皆で守っていかなければならないものにも関わらず、オマーン政府はこの保護区の規模を9割も削減して、資源開発をするとの方針を決めたのです。守っていかなければならないものなのに、守るべき規模を小さくし、自然遺産として登録されたからには、自然はもとより動物達も保護していかなければいけないのに、96年に450頭いたアラビアオリックスが現在65頭にまで減少しています。これは密漁や生息地の悪化によるもので、国が一丸となって保護すべきものが、なされていないという証拠といえるでしょう。初の世界遺産登録抹消のニュースに、世界中が湧きました。自然遺産を守っていくということは、地球を守っていくということと同じことなのです。
負の世界遺産
正式に、負の世界遺産としてのカテゴリーがあるわけではないのですが、こう呼ばれている世界遺産もあります。人類が歴史の中で犯してきた罪を証明するようなものも世界遺産として登録され、負の世界遺産と呼ばれています。もちろん正式な呼び方ではないので、登録基準などもありません。こう呼ばれているものの例を挙げると、アウシュヴィッツと呼ばれているビルケナウ強制収容所や、トリニダード、マンデラ大統領が閉じこめられていた島、ロベン島などがそれにあたります。タリバン政権によって壊されてしまった、バーミヤン遺跡も負の遺産と見なされています。
世界遺産に対する責任
世界遺産に登録された物件は、国際社会や世界遺産を持つ国に保護する責任と義務が生まれます。世界遺産条約に、保護や保存、国際的に援助することの義務や教育活動を強化しなければならないと明記されているためです。世界遺産に登録されたということは、それなりの保全や保護に対する責任が強化されるということでもあるのです。
文化遺産と自然遺産のバランス
文化遺産に登録されているものと、自然遺産に登録されているものを比べると、誰の目から見ても文化遺産の登録数の方が多いのはお分かりでしょう。このアンバランスさはどうしてなのでしょうか。世界遺産に登録されるためには、厳しい審査や調査があります。文化遺産は人類の手で保護していくことが可能なものですが、自然遺産となると、その保護にも限界があります。土地も有効利用できなくなるでしょう。危機遺産に登録されているものに自然遺産が多いのは少なからず、こうした理由も挙げられるのではないでしょうか。美しい滝があってもそれだけでは登録できないことも原因の一つかもしれません。文化遺産は建造物一つだけでも登録できるのに対し、自然遺産は滝1本だけでは登録できません。周りの景観や環境も整っていなければいけないのです。しかも、ある程度の面積もなければいけません。滝の周辺だけが整った環境や景観ではいけないということです。こうしたことから、文化遺産と自然遺産の登録数に差が生じてしまうのです。
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