腰痛は国民病とも呼ばれています。腰痛になってからその原因を思い返すと、『あの動きが……』『あの姿勢が……』と、案外簡単に思い当たる節があるはずです。
ちょっと気をつけていれば防げたものを、一瞬の気の緩みから、長く続く腰痛に悩まされることになってしまうのです。
ライン製造など、その場に立ったままで長時間作業する人は、筋肉が疲労してしまい、椎間板にも負担がかかるので、腰痛が起こりやすくなります。
座っている方が楽に見えますが、座りっぱなしの体勢は立ちっぱなしよりも椎間板にかかる負担が大きくなり、やはり腰痛を起こしやすい体勢と言えます。
タクシードライバーなどに腰痛持ちが多いことからもお分かりのように、長時間座ったままの姿勢は腰痛になりやすいと言えます。立ちっぱなしよりも要注意です。
パソコン作業などで、同じ姿勢で長時間デスクに向うことも腰痛になりやすいと言えます。
同じ長時間座るにしても、姿勢正しく座っていれば問題ないと思っている人もいるようです。
腰に負担をかけないように座ることの出来るグッズなども数多く販売されていますが、姿勢も大切ですが、腰痛にとってネックになるのはやはり、『長時間座っている』と言うことです。
いくら姿勢よく座っていても、同じ姿勢を長時間続けると言うことは、限られた筋肉や骨格に負荷が継続的にかかると言うことです。
椎間板などで負荷を軽減しようとする働きが体にはありますが、継続的に負荷がかかるとそのバランスが崩れてしまい、その状態が継続されることで負荷がかかっている筋肉は固まってしまい、負荷軽減の起こっている筋肉は弛緩したままになり、筋力も低下してしまいます。
デスクに向って座っているだけで、運動しているときのように筋肉を使っているという自覚はないでしょう。大きな筋力は必要としませんが、座っていても筋肉を使っています。
動かないまま継続的に筋肉を使っていると、知らず知らずに筋肉疲労が蓄積され、最終段階で初めて『腰痛』として症状が表れます。
もちろん座りっぱなしの仕事だけではなく、同じ姿勢で立ちっぱなしの仕事でも、こうした蓄積型の腰痛になりやすいと考えておいた方がいいでしょう。
家庭で家事をこなす主婦の人も、蓄積型の腰痛になりやすいと言えます。料理や掃除で前傾姿勢を継続してとることが多く、デスクワークと同じ原理の負荷が腰周辺にかかってしまいます。
家の中を動き回って掃除機をかけたり拭き掃除をしたり、洗濯をして干し、取り込んでたたみ、家族のために料理を作る。
一見動き回っているので座りっぱなしより楽なのではないかと思いがちですが、動きながらも腰にかかる負荷は常に継続しているので、デスクワークで座りっぱなしでいるよりも肉体疲労は大きくなるでしょう。
力仕事をしているわけではないからと油断をしていると、最終的には腰痛として症状が表れますので注意が必要です。
段差のある場所を重い荷物を持って上り下りしたり、重い荷物を持上げる時に、腰だけ曲げて膝を曲げずに持上げようとする人は、一瞬で腰痛持ちになる可能性大です。
これでは腰痛になるために膝を曲げないとしか言いようがありません。重い荷物を持上げる時には、しっかりと膝を曲げてしゃがんでから持上げなければいけません。
また、重い荷物の受け渡しでも、段差のある場所で片足でバランスを取りながら受け渡ししたり、体をひねった状態で、腕を伸ばして受け渡しをするなど、腰痛を引き起こしやすい体勢と言えます。きちんと正面を向いて、腰に負担がかからない自然な姿勢で行いましょう。