椎間板ヘルニアになると、強い痛みに突然襲われることも少なくありません。
椎間板ヘルニアを発症してしまった人の体験談をご紹介します。
椎間板ヘルニアがどんなものか、最初は分かっていなかった私の体験談です。
腰のレントゲンを見ながらお医者さんに言われた一言です。
そう言われても正直な話、最初はヘルニアがどんなものか分からなかったため、まあ大丈夫でしょ……と思っていました。
椎間板ヘルニアになってからというもの、通院しながらのリハビリを余儀なくされてしまいました。 仕事中は腰を休める暇もなく、痛みと戦う日々です。
どうして自分がヘルニアになってしまったのか、これからどう椎間板ヘルニアと向き合っていくかを書きたいと思います。
ヘルニアになる原因は大きくわけて環境要因、遺伝要因、加齢の3つあると言われています。
この中で、20代の私が発症した原因はおそらく1つ目の環境要因になると思います。
私は小さい頃から姿勢が悪かったのですが、学生の時は姿勢が悪いことで何か不都合があった訳ではありません。
しかし、社会人になると長時間座って仕事をしたり、時には1日中立ちっぱなしという日もあります。
そういう状態が続き、仕事を始めて1年で椎間板ヘルニアになってしまいました。
椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて2種類あります。
1つは保存療法というもので痛みをなるべく抑えていくような方法、2つ目は手術療法という名前の通り、手術を行って痛みを取り除く方法です。 私は幸い手術には至りませんでしたので、前者の保存療法で治療していきました。
保存療法の中でも薬物療法をメインに行いました。
非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を使って痛みを和らげるというものです。
直接腰に注射するのですが、これが想像よりも痛くかなり辛かったのを今でも覚えています。
しかし、これはあくまで保存治療とういうことで、治すというよりは悪化を防ぐことに重点が置かれている治療法です。 そのため、保存療法を受けても椎間板ヘルニアが完治したわけではなく、私は今でも通院を続けています。
椎間板ヘルニアの痛みでお悩みの方も多いのではないでしょうか?
慢性的な腰痛でも痛み止めを服用すれば、痛みが治まり通常に生活できると安心してしまいがちです。 私もそうでした。
しかし痛みを薬で紛らせていでも、足の痛みや痺れを感じることはないですか?
痛み止めを服用していると、痛みや痺れも感じにくくなります。 しかし、それが腰痛の重症化を見逃してしまうポイントだと言えるでしょう。
痛みに幅広く効く痛み止めは、良い面もありますが、症状を見落としてしまう原因にもなるので気をつけなければいけません。
仕事ではない日に少し服用の間隔を空けてみるなどをして、どのような痛みがあるのかを確認するといいでしょう。
もし足に何らかの違和感を覚える場合は、椎間板ヘルニアが足への神経を圧迫しているサインですし、腰部の痛みも左右で差があるなら、椎間板ヘルニアを発症している証拠になり得ます。
痛み止めを服用する他に、椎間板ヘルニアの痛みをとる方法としては、痛みの原因へ直接薬剤を投与するブロック注射があります。
レントゲンやMRI撮影をし、痛みの部位やヘルニアの有無を確認します。 ヘルニアの大きさや突起している場所により、手術がすぐに必要だと判断される人もいれば、ブロック注射で痛みの軽減を試みる場合もあります。
私の場合、最初はブロック注射の効きが良く、2週間に1回のペースで通っていました。 ところが、少しずつ症状が悪化し1週間に1回、4日に1回、2日に1回と通うペースが短くなっていきました。
椎間板ヘルニアで痛みの悪化を感じたら、医師に相談して痛みの部位の再検査をしてもらいましょう。
普段の仕事内容や日頃の姿勢により、短期間でも椎間板ヘルニアの突起が大きくなっている可能性はおおいにあります。 足の痛みや痺れをそのままにしていくと、薬を服用したり、ブロック注射をしても効果が薄く、日常生活にも支障が出てしまいます。
MRI撮影してから約半年後の再撮影で、ヘルニアの突起部分の大きさが約2倍になっていた私。
その頃には歩行障害が出始めたほか、座る、立つ、寝る……どんな状態でも痛みが続き、何もできない日々を送っていたこともあり、他の病院での受診を勧められました。
他の病院で造影剤の検査を行い、改めてヘルニアの部位や大きさの確認をするため、一泊入院をしました。
日常生活に大きな支障が出ていたこと、そして検査結果……総合的な医師の診断で、手術を勧められました。
検査入院から1週間後の受診時に、血液検査や手術の説明、全身麻酔承諾書等の署名を行いました。
とても大切な背骨にもかかわる手術なので、手術後に何も障害が出ないとは言い切れないと医師から話がありました。ただ、現状のもままではよくなる可能性はほぼ無いとのことで手術を受ける決心をしたのです。
重症化した場合、腰部の痛みよりも足の痛みなどに悩まされることが、椎間板ヘルニアの痛みの特徴とも言えるでしょう。
その原因としては、ヘルニアの突起部分が下肢につながる神経を圧迫することにより、腰部でなく下肢に痛みが発症する為です。
痛みから解放されたい一心で、手術する事を決意した私。
医師から手術の日程や手術方法などの説明を受け、必要書類へのサインをし、血液検査と尿検査が行われました。
その後、麻酔科の医師から麻酔についての説明があり、さらに禁煙を勧められました。
全身麻酔で手術を行う為、喉にチューブを入れます。喫煙者の場合、そのチューブを外した後に痰が多くなる傾向にあり、術後2日間はベッド上での生活になるので痰を吐き出しにくいとの事でした。
入院前日に辞めればいいや……と考えていた私は絶句しましたが、術後の痛みがどれくらいなのか想像がつかなかったので、素直に禁煙をしました。
その後、全身麻酔についての承諾書にサインしました。
手術前日に入院しました。
手術の前日は通常にご飯を食べることができるものの、夕食後から翌日の昼までは水1リットルのみという制限が付きます。
手術当日は、朝食も昼食も良い匂いを嗅ぐだけという苦痛の時間でした。
テレビを見たり、音楽を聞いたりして気を紛らわせていました。
手術当日の水分摂取時間が過ぎた頃に看護師に浣腸をされ、前開きの肌着とパジャマに着替えました。 そして、いよいよ手術室へ。
約2時間の手術を終え、覚醒するまで時間がかかりました。
麻酔が切れても下肢の痛みは全くなく驚きましたが、傷口の痛みと発熱で意識が朦朧としていました。
ベッド上でも自力で寝返りが打てず、看護師さんを呼ばなければなりません。
できる体勢も限られているので、安眠できませんでした。
翌朝から食事提供はありましたが、食欲がわきませんでした。
ほぼ寝たままで食べなければなりませんし、自分につながっているチューブと排泄が気になり食欲は出ませんでした。
丸2日経つと、傷口の様子により背中のチューブが外され、医師によって立ち上がりと足踏みの確認が行われました。
そして、尿道カテーテルが外してもらえます。
この時から、コルセット生活が始まったのです。
最低3か月、入浴時以外は外して過ごすことができません。
そこからはベッド上で背もたれを起こし座ることが許され、経過により車いすから歩行器へと移動手段が変わります。
シャワーは、手術後1週間経たないと浴びれません。
というより、「傷口の様子によっては最短1週間でシャワーが浴びれるかもしれない」と考えていた方が良いでしょう。
車いすでの移動を許可されると、リハビリが始まります。
丸2日寝ていただけでこんなにも筋力が落ちるのかと驚きました。
ベッド上での安静時間やリハビリなど辛いことはありましたが、何よりも腰や足の痛みがなくなり安心しました。
椎間板ヘルニアの手術を受けた事に後悔はありません。
コルセットの装着部位はしっかりと覚えましょう。
ずれていると、コルセットをしている意味がありません。
日常生活では、椅子へ座る事をおすすめします。
コルセットをしていると、床座や床座から立ち上がる事が大変です。
座る・立つなどの動作をする際には、骨盤をまっすぐするようにし、できるだけ正しい姿勢を心がけましょう。
また、急に上半身だけを曲げて前かがみにならずに、必ずひざを曲げてから体勢を変えるようにしましょう。