WFC (世界カイロプラクティック連合)が発表した世界基準のカイロプラクティック名称許可宣言と、WHOによる教育と安全性のガイドラインについて紹介します。
WFC(世界カイロプラクティック連合)とは、WHOに正式に登録されている団体です。
1988年に36カ国の代表団体からなる「WFC(世界カイロプラクティック連合)」が設立されました。WFCは、カイロプラクティックの基準や職業としてのアイデンティティを守るために、2001年の第6回パリ総会で「WFC宣言」を採択しました。
これは歴史上、世界で初めて表明されたカイロプラクティックについての見解として話題となりました。
この宣言の最も重要な点は、WFCが「カイロプラクティック」や「カイロプラクター」の名称の使用を、以下の世界基準を満たすものに限定し許可したことです。
法制化されていない国々において、正規な教育を受けずにカイロプラクターとして開業する人たちがいる。その人たちは、「カイロプラクティック教育」と称する非公式な学校や短期コースを受けてきた。これらの状態は、国民の健康とカイロプラクティック業界の名誉に反することを認め、WFC第6回パリ総会で次の宣言を行う。
1「カイロプラクター」、「ドクター・オブ・カイロプラクティック」、あるいはそれに類する名称の使用は下記のものに限定する。
(1) 表記の法的な免許を持ち登録されたカイロプラクター
(2) 正式なカイロプラクティック認定団体(例・CCE)、または政府認定団体による正規な卒業生
(3) WFC国際憲章(1997年東京)に従い、WFCの加盟するその国の代表団体が暫定的に承認したプログラムの修了者。
2「カイロプラクティック」とそれに類する名称は、カイロプラクティック開業に向けその技術と能力を教えるとする学校やコースに使用される場合は、下記に限定する。
(1) 正式なカイロプラクティック認定団体(例:CCE)、または当該国政府認定の場合。
(2) WFC国際憲章(1997年東京)に従い、WFCの加盟するその国の代表団体が暫定的に承認した教育プログラムや学校。
この宣言は、法律的な拘束力を持つものではありません。
しかし、これによりカイロに関する「名称」の使用を限定する「世界基準」が明確にされました。
2005年には、「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に 関するガイドライン」が発表されました。
主な内容は下記の通りです。
1正式なカイロ教育は全日4年制4200時間以上の教育(うち臨床実習1000時間)。
2ただし、医師、歯科医師、理学療法士等の医療有資格者は一部単位が認められ全日2~3年制2200時間以上の教育(うち臨床実習1000時間以上)でも正式に認められる。
3正式な教育ではないが期限付きの教育においては、医師や他の医療有資格者を対象とした場合、2~3年制1800時間以上の全日もしくはパート教育(うち1000時間以上の臨床実習)が最低必要である。
※ただし、日本の状況にはあてはまらない。
4正式な教育ではないが期限付きの教育(CSC等)においては、3)以外の自称「カイロプラクター」を対象とした場合、2500時間以上の全日もしくはパート教育(うち1000時間以上の臨床実習)が最低必要である。
※ただし受講条件あり。
などが含まれます。
このガイドラインも、法律的な拘束力はありません。
しかし、このガイドラインによって「カイロ教育」を限定する「世界基準」が明確にされました。
JAC(日本カイロプラクターズ協会)により作成された「カイロ教育について」の動画をご紹介します。