全国各地のご当地味噌汁の中から、北海道代表として三平汁と鍋こわし、ごっこ汁の三点とゆうのがあります。北海道ではポピュラーな味噌汁ですが、全国的にみると初めて聞く名前もよく見ます。「ごっこって何?」そう思われても不思議じゃありません。とても変わった魚なのですから。
三平汁は昆布でとっただしで、塩鮭や鱈などの魚と、大根や人参、玉ねぎなどをいれて煮込んだ北海道の名物料理です。入れる具材は家庭によって様々で、玉ねぎの代わりにネギを入れたり、つきこんを入れたりします。だしがよく出るように鮭のあらを入れる家庭も多いです。
「三平」の名前は、松前藩の家臣である斉藤三平からではないかと言われてます。伝承としては、松前藩藩主が狩りに出かけ、途中で空腹になったときに訪れた漁師の家で、あり合わせのもので作った汁をご馳走になり、それをたいそう気に入って、漁師の名前をとって三平汁としたというのです。ですが、当時の漁師に名字があったとは考えづらく、同姓同名の家臣の斉藤三平が奥尻島で振る舞った汁が最初だとする説もあります。
北海道で一般的に作られている三平汁ですが、塩ベースで作る家庭と味噌ベースで作る家庭があります。ここではもちろん味噌ベースで紹介していきましょう。材料は二人分で、塩鮭か鱈1~2切れ、ジャガイモ1個、人参50グラム、大根と玉ねぎが各100グラム、長ネギ20グラム、だし汁400ccです。酒粕20グラム、合わせ味噌を大さじ1杯も準備しておきます。分量をはからなくても食べられる量の目分量でいいでしょう。
鍋こわしは別名カジカ汁とも呼ばれます。北海道の人でも鍋こわしといっても通じなく、カジカ汁といって初めて通じる人もいるのではないでしょうか。あまりのおいしさに、皆が鍋を囲んで突きまくり、最後には鍋を壊してしまうというところからこの名前がきています。カジカはカサゴの仲間で、見た目はグロテスクな姿をしていますが、味もよく、しまった身がとてもおいしい魚です。
作り方といっても、鍋や味噌汁に決まったレシピがないように、食べたい野菜を食べたいだけ一緒に煮ればいいのです。基本の作り方を掲載しますので、自分なりにアレンジして作ってみてください。分量は2人前です。カジカ300グラム、大根150グラム、人参1/2本、ジャガイモ2個、長ネギ1/2本、昆布だし汁3カップ、味噌50グラム、酒大さじ1杯、塩小さじ1/2杯です。
初めてこの名前を聞く人も多いでしょう。売られている姿は巨大なオタマジャクシのような魚です。(水中にいると全く違うのですが)一般的にはホテイウオと呼ばれるもので、ゼラチン質が多く、内臓以外、骨まで全て食べられる魚です。特徴はなんといってもメスの卵です。プリプリ感がなんともいえません。家庭によってしょうゆ味で作る家と味噌味で作る家があるようです。
それではごっこ汁の作り方を紹介しましょう。使うごっこのお勧めはメスです。さばいてからぬめりを取る人もいるようですが、自分はさばく前にぬめりをとります。まず先に下ごしらえからしていきましょう。ザルにごっこを入れ、熱湯をかけます。表面のぬめりが薄い膜となって、軽くこするだけで落ちてきます。見も縮みますので、自然と卵も膜に包まれたまま出てきます。内臓を取り出したらあとは骨ごとぶつ切りにしましょう。ゼラチン質で切りづらいので、滑ってけがをしないよう注意します。取り出した卵は塩を振って2~3回洗いながらほぐしておきます。ごっこ1匹に対して豆腐1丁、長ネギ1本、布海苔を適宜用意します。