昆布だしはだしの中でも鰹節と並んで定番ですね。昆布がとれる95%は北海道だと知っていましたか? 昆布だしの上手な取り方と、昆布のことを紹介していきます。数多くの種類があって驚きます。
昆布だしは、水からだしをとる方法と、お湯からとる方法とがあります。昆布だしは香りも控えめで、素材の味や香りを生かすことのできるだしになります。料理の味が上品に仕上がります。だしを取る前に、昆布に切れ目を入れるのを勧める人もおりますが、昆布の臭みとぬめりが出てしまうので、敢えて切れ目は入れなくてもいいと思います。
水1リットルに対して昆布を30グラム使用します。昆布の表面をふきんで拭き取ってきれいにします。このとき軽く拭く程度にし、表面についた白い粉を取ってしまわないようにします。この白い粉は昆布の旨み成分です。分量の水に昆布を10時間つけ込みます。その後、取り出して火にかけてだしとして使います。
使う水と昆布の量は水出しと同じです。昆布の表面をきれいにするときは、絶対に水で洗い流さないでください。昆布の表面のせっかくの旨み成分が流れてしまいます。分量の水に昆布を30分漬けたあとに中火にかけ、アクを取りながら沸騰直前に昆布を鍋から取り出します。
昆布は江戸時代の北海道の開拓以来盛んに採取されるようになりました。北海道で採取された昆布は、北前船によって日本海を通り、関西まで運ばれました。北海道から昆布が運ばれた経路は「こんぶロード」と呼ばれています。更には薩摩藩によって琉球王国を中継とし、中国までこのこんぶロードは延びていきました。昆布は貴重な交易品でした。北海道で穫れた昆布は大阪や京都で加工されて売られていた記述が残っており、収穫されるのは北海道でも大阪が加工や問屋の核となっています。昆布の名前は、北海道の民族、アイヌ人がコンブと呼んでいたものです。
昆布に含まれる栄養はとても豊富です。中でもカルシウムは牛乳の約6倍も含まれています。ヨウ素の量も海藻の中では一番の含有量を誇ります。更にアルギン酸とフコダインもたっぷり含まれているので食物繊維もたっぷりです。しかし、昆布といったらやはりグルタミン酸ですね。アミノ酸の一種のグルタミン酸は昆布の旨み成分の代表格です。昆布はカロリーも低く、ダイエットをしている人には大きな見方になってくれます。
昆布の旨みはグルタミン酸という成分にあります。どんなものと相性がいいのか見ていきましょう。
豚肉には豊富なイノシン酸が含まれています。昆布のグルタミン酸と出会うことで相乗効果が生まれ、より一層おいしく感じるのです。味噌汁の具に肉類を使うととてもおいしく感じるのはこのためなのですね。
鰹節も豚肉と同じイノシン酸が含まれます。そのため、一番だし、二番だしでも昆布と鰹節は一緒にだしをとりますね。理にかなった理由がちゃんとあるからなのです。この二つからとっただしがおいしいわけですね。
グアルニル酸という旨み成分を持つ干し椎茸。やはり昆布のグルタミン酸と出会うことで旨みの相乗効果が生まれます。ただし、干し椎茸の香りには好みがはっきり分かれますので、美味しいからといって嫌がる人に無理矢理勧めることのないように。
昆布は湿気を嫌います。乾燥した場所に保管するのが望ましく、冷蔵庫か冷凍庫にビニール袋や密閉容器に入れて保管しましょう。使いやすいように、切ってから保管すると後々便利でしょう。湿気の少ない場所でしたら冷蔵庫や冷凍庫でなくてもかまいません。湿気が入らないようにするのがポイントです。