一番だしときたら二番だしです。一番だしと二番だしではだしの取り方が違います。もちろん味噌汁のだしにも最適です。料理の素材や調味料を引き立てる旨みがあり、味噌汁はもちろん、煮物などにも最適です。
一番だしが昆布と鰹節の瞬間的な旨みを引き出すのに対して、二番だしはだしの材料に残った旨みを、ゆっくりと弱火にかけて引き出したものです。すまし汁などに使われる一番だしと違い、味噌などの調味料を加える事が多いので、最後に漉すときに絞っても構いません。
使用するものは、一番だしで使った昆布と鰹節です。新たに鰹節10グラムほどを用意しましょう。水はしばらく煮込むため2リットル用意しましょう。
一番だし、二番だしをとったあとの鰹節は生ゴミ行きですか? もったいないので、このだしがらを使ってちょっと一手間かけて活用してみましょう。
だしをとったあとの鰹節でふりかけを作ってみましょうフライパンで煎るだけで簡単に出来上がります。
こちらも手間いらずで、だしをとった後の鰹節を活用して、洋風ブイヨンならぬ、鰹節ブイヨンを作ってしまおうというものです。洋風と違うのは、冷めても表面に脂肪の幕ができないというところです。使いやすいのでぜひ作ってみてください。
普段何の気なしに料理に使うだし。昔から鰹節や昆布を使ってだしをとり、その旨みを堪能してきました。だしの代表格ともいえる鰹節と昆布はいつ頃から使われるようになったのでしょうか。
昆布は北海道で穫れるものが有名ですが、これは昔から変わらないようです。室町時代に北海道で穫れる昆布が日本海を経由して京都に入り、精進料理に使われるようになりました。江戸時代に入ると、天下の台所と謳われた大阪で取引されるようになり、徐々に西日本へと広まっていきました。関東に昆布が広まったのはもっと後のことで、現在でも関西に比べると、昆布の消費量が少ないものとなっています。
江戸時代の京都や大阪の高級な料亭では、鰹節を使ってだしをとる作業は秘伝のものでした。店の店主が鰹節を削り、板前にすら触らせないほどのものだったのです。日本料理にはなくてはならなかったのですね。この時代の昆布と鰹節は、この料亭でのエピソードが物語るように、とても高級なものでした。そのため一般家庭で手に入れることは困難で、その代わりに小鰯で作るイリコが普及しました。これがイリコだしのはじまりです。