日本各地を見ると、その土地によって様々なみそ汁があります。調べてみると名前も知らないみそ汁が数多くあり、興味をそそられます。地域によって使う味噌が違いますし、使う具材も違います。それぞれに合う味噌汁が作られるので、土地特有の味噌汁が生まれるはずです。
全国各地で、様々な色や味の味噌があります。「この地域はこの味噌!」という風な明確な分け方はありませんが、大体で使われている味噌を分けることができます。
北海道で広く使われているのが米みそで甘口なものになります。色は赤い味噌になります。
東北の味噌も北海道と同じく米味噌ですが、甘口ではなく辛口みそになります。色はやはり赤です。
米味噌の地方と麦味噌の地方があります。米味噌は辛口みそと甘みそが使われていて色は赤です。麦味噌も赤ですが、甘口みそと辛口みそを使い分けて使用されています。
米味噌が使われていて色は淡色ですが、北陸地方では辛口味噌が使われていて、東海地方では甘口味噌が使われています。中京地方では豆味噌になります。
米味噌で色は白、甘口味噌が使われています。
米味噌と麦味噌になります。どちらの地方でも、米味噌は甘味噌で白、麦味噌は甘口も辛口も両方使われています。
米味噌と麦味噌が使われています。米味噌は淡色で甘口になり、麦味噌は甘口と辛口の両方使われています。
地方によって好まれる味噌に違いがあるのはお分かりいただけたかと思いますが、同じ地方に住んでいても、味噌汁の濃さが違うと味ももちろん全く違うものになってしまいます。要は味噌を入れる量の違いなのですが、濃い口が好きな人、薄口を好む人とでは、味噌汁の味が全然違ってきます。自分は元々実家の母の影響もあり、作る味噌汁の味はどちらかというと濃い口でした。それに慣れていたせいで、結婚後嫁いだ先の味噌汁が、薄くてまるで味噌汁の上澄みだけを飲んでいるようで飲めたものではありませんでした。徐々に口が慣れてしまったのでしょう。自分で作る味噌汁も薄味になり、今では濃い味の味噌汁が飲めなくなってしまいました。同じ味噌を使っていてもこれですから、違う地方同士の人が結婚したら、味噌汁の味でけんかになったりしないのかな……と余計な心配をしたりしています。
味噌がどうやって作られているかご存知ですか? 大豆から作られているのは誰もが知っていることですが、詳しく知っている人はきっと少ないことでしょう。せっかく味噌汁のことを学習しているのですから、味噌の製造法もちょっとだけ頭に入れてみませんか?
米味噌の作り方の工程を紹介しましょう。作業を初めてから麹が出来上がるまでは約40時間かかります。米を精米したあときれいに洗浄します。味噌への着色の原因となる糠をきれいに取り除きます。こうしてきれいにされた米を一晩水に浸して蒸します。蒸気で蒸すことにより、でんぷん質が糊のようになり、タンパク質は熱で変性されます。蒸された米を35度くらいまでに冷ましたら、麹菌を加えます。3時間ほどで胞子が発芽し、16時間くらいから盛んに菌糸が伸び始めます。ここで米粒をほぐすことにより、麹きんの生育が益々促されます。
主原料となる大豆はきれいに洗浄されて一晩水に浸されます。水を吸収した大豆を柔らかくなるまで蒸します。白味噌を作るときには煮る場合もあります。
蒸した大豆が冷えたら砕いてすりつぶし、更には押しつぶして滑らかにし、米麹と食塩と水を加えて桶に詰め込みます。
発酵室内で味噌を発酵、熟成させます。味噌の種類によってその熟成期間が変わってきます。麹の働きにより、原料の中に含まれているタンパク質は変化してアミノ酸やペプチド、有機酸になります。発酵や熟成の温度管理は味噌の種類によって変わってきます。
熟成が終わると漉し器を通してこし味噌にします。粒味噌はそのままになります。再発酵を防ぐ処理をされて包装される味噌もあります。