北京の人が普段最も使う調味料の種類は5種だそうですが、広東の人は10種以上の調味料を使っています。「塩味が主なベースとなっている広東料理がどうしてそんなに多くの調味料を必要としているか」と不思議に思っている方が多いかも知れませんが、それこそ広東料理の奥深さと神秘なところです。広東料理は四川料理と違って香辛料をそれほど使いません。スパイスをたくさん入れた刺激的な四川料理と違って、大変淡白であっさりしているメニューが多いです。中国の人は体の調子が悪い時には「広東のお粥が最高」と言っています。
広東調味料(味噌)
中国語で味噌は「醤(中国語でjiangと発音します」と言って、味噌の種類は数多くあります。中国の人は味噌を調味料としてことが最も多く、日本人や韓国人のように味噌汁にすることはほとんどありません。ザージャン麺は日本の「味噌煮込みうどん」と違って汁はほとんどなく、味噌を炒めてから茹でた麺と混ぜて食べます。広東味噌にはXO醤、えび醤、沙茶醤、芝麻醤、海鮮醤などがありますが、茹でた麺に沙茶醤を混ぜた「沙茶麺」を広東の人が普段よく食べます。
広東調味料(オイスターソース)
広東料理によく使う調味料で絶対欠かせないのは、オイスターソースです。「レタスオイスターソース」、「チンゲン菜オイスターソース」やオイスターソース炒め料理など数多くのオイスターソースレシピがあります。オイスターソースの主原料となる牡蠣は、ビタミン、カルシウム、鉄分、たんぱく質が豊富に含まれていて「海のミルク」と呼ばれるほど栄養成分が高いです。中国の人は、昔らから牡蠣は滋養品として漢方薬や薬膳料理に使われていました。牡蠣に含まれているアミノ酸の一種のタウリンは、最近各業界に注目されている成分ですが、食べ物の消化を助ける効果があります。
広東調味料(醤油)
広東醤油は大きく「生抽」と「老抽」に分けることができます。生抽は、色が薄く見た目では日本の薄口醤油に非常に似ていますが、味は濃い調味料です。生抽抜きで広東調味料を語ることはできません。老抽は、黒糖やキャラメルが入っているので甘味が強く、味付けと言うより「色をつける」役割を果たしています。でも、複雑な製造工程と生抽より遥か長い醸造時間がかかった分、味に深みがあります。またとろみも強いので、八宝菜の仕上げには無くてはならない調味料とされています。