杏仁豆腐

中華料理のフルコースを食べに行ったら、最後のデザートはなぜか杏仁豆腐を出すことが多いですよね。中華料理のデザートといえば「杏仁豆腐」と思ってしまいますが、これは私だけのことかしら。杏仁豆腐は中国語でxingrendoufuと呼びますが、「杏」はあんず、「仁」はあんずの白い種を意味します。ある日本人観光客が中国の北京に行った時、レストランのメニューに杏仁豆腐がないことに大変びっくりしたそうです。中国のどのレストランにも、杏仁豆腐があると思ったら大間違いです。

杏仁豆腐は多くの日本人が好んで食べる中国のデザートですが、実は中国の伝統的なお菓子「月餅」、「ごま団子」のように全国的に普及しているお菓子ではありません。杏仁豆腐愛好家の日本人にとっては大変残念なことかも知れませんが、国土が広く、地域性が大きい中国では飲食習慣も地方によって結構異なります。杏仁豆腐は、中国では広東（かんとん）料理の「点心、飲茶」の一種類として定着しているものの、中国全土のどこでもあるデザートではありません。「杏仁」は内服だけではなく、お肌に良いとのことで中国では化粧品としても使われています。

杏仁、クルミ、松の実などで作った「杏仁ジュース」は現在中国で飛ぶように売れています。中国のレストランで最初出された時には、ココナツミルクかと思いましたが杏仁の味がしたのでびっくりしました。ウェトレスに頼んで杏仁ジュースの入れた缶を持ってきたところ、ラベルは「杏仁露」でした。冷たくして飲んでもいいですが、温かくして飲む中国人が多いそうです。中国の漢方医が最も重要していることは、体を冷やさないことです。それを思うと杏仁ジュースを温かくして飲むのは、それほど不思議なことではありません。メーカー側の「杏仁の健康効果」コマーシャルのせいか、杏仁ジュースを箱で買う中国人が急増しているそうです。

中国の人は、古くから杏仁を漢方薬として食していました。中国で「杏仁」は「杏実」とも呼ばれていますが、杏仁は果物の中でマンゴーの次にカロチンが豊富です。中国の人は杏仁を「抗がん果物」と称し、杏を食べたら必ず杏仁まで食べるよう大人は子供に教えます。杏仁は「苦い杏仁」と「甘い杏仁」の二種類があります。苦い杏仁は「北杏」、甘い杏仁は「南杏」とも呼ばれます。渋くて、苦い杏仁をいかにおいしくいただくか、中国の人はあれこれ工夫し、杏仁茶、杏仁豆腐、杏仁クッキー、杏仁チョコレートなど様々なレシピを作り出しました。

杏仁豆腐に使われる杏仁は、北杏より南杏のほうが良いとされていますが、それは「北杏」は苦味と渋みが強いからであって、北杏の栄養成分が南杏に衰えているわけではありません。北杏はたんぱく質とアミノ酸が豊富で、咳き止めと便通をよくする効能があります。甘い南杏には、ビタミンA、B1、B2、C及び脂肪、たんぱく質、鉄分などが含まれています。杏仁に含まれている脂肪油は、コレステロールを下げる効果があるとアメリカの研究機関では発表しました。85名の平均年齢が56歳の中老年の方を対象に杏仁を一定の期間食して検査を行った結果、コレステロールの数字は以前より7.6％下がったそうです。

杏仁豆腐は杏仁を効率よく、おいしく食べられるアイディアレシピです。杏仁豆腐のカロリーを気にする人が多いようですが、杏仁豆腐のカロリーは糖分と脂肪分を抑えればいくらにもなりません。杏仁豆腐ダイエットを聞いたことがありますか？　アメリカに転勤になった友人が飲食習慣や生活環境の変化で10キロも太ってしまいましたが、杏仁豆腐ダイエットで体重の減量に見事に成功しました。杏仁豆腐の主なカロリーは何だと思いますか？　寒天とゼラチンはカロリーがゼロなので砂糖と生クリームさえ使用しなければ、カロリーはいくらにもなりません。お砂糖と生クリームを一切使わない杏仁豆腐の作り方をご紹介します。

材料

作り方