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広東料理の達人
 

餃子

餃子(ぎょうざ)は、中国の伝統的な食べ物として世界に知られています。食べ物があまりなかった時代、餃子は中国人のご馳走としてお正月やお祝い行事の時しか食べられませんでした。経済が発展し、人々の生活が豊かになった今日、中国の人は昔と違っていつでもギョウザを食べるようになりまいた。中国は「おなか一杯食べる」時代から「質の高いものを食べる」時代に代わりつつあります。貧富の差がますます大きくなり、中国のお金持ちは世界ランキングに入るようになりました。しかし、時代がいくら変わってもギョウザを愛する中国人の気持ちは変わっていません。

日本の餃子文化

数多くある食べ物の中で、どれを選ぶか何を食べるかはその人の習慣と好みによります。たくさんある中華料理の中で「何が一番好きですか?」と聞いたところ、「ぎょうざ」と答えた日本人が多かったです。「今日の夕食は何?」という質問に「一遍にいろんな野菜をたくさん食べられるからギョウザにしようかな」と返事する主婦がいました。野菜を一杯取るために餃子を食べるのは、とても面白い発想です。中国人なら「野菜不足を補うために餃子を食べる」、といったことは先ずしません。

お正月の定番は餃子

中国にはお正月(中国で旧暦でお正月を祝います)にギョーザを食べる風習があります。忙しい生活の中で普段あまり餃子を作らない家庭でも、大晦日だけは家族総動員で餃子を作ることが多いです。餃子レシピとおりに作っても、面白いことは作る人によって味が微妙に違うところです。日本に「お袋の味」があるように、中国には「お母さんの餃子の味」があります。同じレシピでも調味料のちょっとした分量の違い、入れる順番などによって「ギョーザの味」変わります。

餃子は皮から作る

日本では「ギョウザ作り」といったら普通は、餡を作って市販の皮で包む工程を指します。しかし、中国人は先ず餃子の皮作りから始まります。「餃子の皮をどのように作るの?」とびっくりしている日本人が多いですが、餃子の皮を作ることは中国人にとってごく普通の一般的なことです。スーパーで餃子の皮を買うことは、中国人には逆にとても理解できないことみたいです。中国と日本の餃子の作り方はそれほど差がありませんが、違うところをあえて言うと手作りと市販のギョーザの「皮」が違います。

餃子の種類

中国の餃子専門店のメニューを見たら、きっと自分の目を疑う方が多いと思います。中国人ならともかく、日本人なら先ず何十種類にも上る餃子の種類に圧倒されてしまうでしょう。「ぎょうざ」の餡(あん)が違うだけではなく、ギョウザの調理の仕方も様々です。日本では焼き餃子がごく普通ですが、中国では水餃子のほうが一般的です。中国の一般家庭では、水餃子にして余ったものを次の日に焼いて食べることが多く、最初から焼き餃子にして食べることはあまりありません。水餃子は沸騰したお湯に餃子を入れて茹でるので、餡がでないようにしっかり包まなくてはなりません。

餃子の餡はシンプル

日本人はお肉にニラ、キャベツ、しいたけなど様々な野菜を入れて餡を作りますが、中国の人は、お肉とにら、お肉とキャベツなど餡をシンプルにすることを好みます。日本人が作った餃子を食べたことのある中国人は「おいしいですが、味が複雑過ぎます」と言いました。確かにいろんな野菜をミックスすると複雑な味になり、どの野菜の味もはっきりしません。中国にはピーマン、セロリ、大根などの野菜を使ったレシピもあります。

餃子占い

中国ではお正月、餡と一緒に、飴、落花生、栗、ナツメなどを包んでその年の運勢を占う風習があります。飴が入った餃子を食べた人は、その年、飴のように甘い生活を送ることができるとされます。落花生が入った餃子は、長寿を意味するのでお年寄りがいる家庭は落花生を餡に入れます。新婚さんのご家庭では栗とナツメ(ともに木1本でたくさんの実がなることから)を餡に入れ、早く子供が生まれることを願います。餃子は単なるご馳走だけではなく、健康と幸せを願う中国人の気持ちを託す「縁起物」でもあります。


餃子