八宝菜(はっぽうさい)
八宝菜は中華料理の一つとして、中国語では「babaocai」と発音します。たけのこ、ピーマン、にんじん、白菜、チンゲン菜などの野菜を炒め、片栗粉でとろみをつけて作る八宝菜は、広東料理の代表的な一品です。八宝菜の味付けは、塩と醤油の二種類に限りますが、使う材料は多数あります。八宝菜に似ている広東料理はチャプスイ(広東語)ですが、日本ではもちろんのこと、中国では広東意外の地域ではそれほどメジャーな料理ではありません。
八宝菜の歴史
八宝菜は、中国清代の政治家である李鴻章(りこうしょう、中国語読みではリホンチャン)、によって世に広めたとされています。美食家だった李鴻章がある日、友人の家に招待された時、友人の妻が作った野菜とお肉の中華風「五目うま煮」が大変おいしかったので、料理人たちに更に研究させ生み出しのが「八宝菜」だったそうです。日本ではご飯の上に八宝菜をかけると「中華丼」と言いますが、これは日本人オリジナルな食べ方であって、中国には決してないメニューです。
八宝菜の「八宝」の意味
「八宝菜は名前とおり、八つの宝を使わなければならないですか?」と聞かれたことがあります。本当に良い質問だと思います。八宝菜は確かに数多くの野菜を使いますが、必ずしも八種類を入れなければならないという決まりはありません。昔、食べ物がなかった貧しい時代、一般家庭で八種類の材料を取り揃えることは、そんなに簡単なことではありませんでした。特に中国北方では、野菜が少ない冬になると、白菜やにんじんなどの漬物を炒めて食べますが、これも昔は「八宝菜」と呼ばれていました。生活に豊かになった今では、八種類の材料を揃えるのが難しくありませんが、その時代では大変なことでした。
「八宝菜」と名づけた理由
中国の人は、「八」の数字を非常に好みます。中国語で八は「fa」と発音しますが、これは「発」という漢字と同じ発音であるので八は縁起の良い数字とされています。では、どうして「発」は縁起が良いのでしょうか? それは、中国語で財産が増えることを「発財」と言うからです。しかし、つい前まで中国では「九」が最高の数字としてされていました。日本で「九」は「苦労」の「く」だからあまり良い数字とされていませんが、単数の中で「九」より大きい数字がないということから中国では良く使われていました。でも、時代の変化とともに数字への好みも変わってきました。
八宝菜と七福神
八宝菜と七福神がどのように結びついているか想像もつかないでしょうが、大いに関係あります。日本の七福神は、中国の「八仙(八の仙人」に由来していることをご存知ですか? 日本に来て七福神を見た中国人は「どうして中国の八仙人が日本に来て七人になりましたか?」と全員首をかしげています。それもそうでしょうね。中国で代々大事にされ、美しい伝説として受け継がれている「八仙」が、日本では七福神として祭られているとは誰もが思ったことでしょうか。
八宝菜レシピ
中国で八宝菜は、鶏肉、豚肉などお肉が入っている八宝菜はと「野菜のみ」の八宝菜(中国では素八宝菜と言います)に分類されています。ここではお肉が苦手な人のために「野菜のみで簡単にできる」おいしい八宝菜をご紹介します。
材料
白菜(3枚)、にんじん(半分)、ピーマン(2個)、しいたけ(3個)、たけのこ少々、チンゲン菜(1束)、木耳(きくらげ)少々、長ネギ(1束)
調味料
塩少々、醤油大さじ2杯、砂糖大さじ1杯、胡椒少々、中華スープの素大さじ1杯、サラダ油大さじ1杯、ごま油少々、水溶き片栗粉少々
作り方
- 全ての野菜を食べやすいサイズに切り、加熱ボールに入れラップをしてから電子レンジで2分ほど加熱します。(電子レンジで事前に加熱することによって、サラダ油大さじ2杯分のカロリーをカットできます)
- 木耳は水に戻し、一口サイズにちぎります(硬い部分は取り除きます)。
- フライパンにサラダ油を入れ、葱を炒めます。
- 葱の香りがたってきたら加熱済みの野菜を入れ、合わせ調味料も同時に入れ素早く炒めます。
- 水溶き片栗粉とごま油をかけ、仕上げます。
|