フカヒレ
あるテレビ番組でフカヒレとは何ですか? という質問に正確に答えられない芸能人が何人もいました。でも、これは決して驚くようなことではありません。ただし、フカヒレを食べたことはあるけどその正体を知らないことにはびっくりせざるを得ません。フカヒレを一言でいえば、鮫(サメ)の軟骨です。色と形は春雨に非常に似ていますが、食感は春雨よりサクサクしていますし、口当たりもいいです。
フカヒレの誕生秘話
中国の人は、いち早くフカヒレを食していました。中国4000年の歴史の中で、フカヒレを食するようになったのは明朝時代から始まります。広大な国土を所有している中国は、内陸と沿海地域の距離が遠く、内陸の多くの地方は冬が寒く、夏が暑いです。このような地理気候の影響で中国の食量保存技術は、昔から非常に発達していました。その中で食料を乾燥させ、水分を飛ばして保存することは、一番重要な保存方法として中国人は取り入れていました。フカヒレは、このような背景の上で「誕生」したわけです。
フカヒレの保存技術
交通手段が発達している今と違って飛行機や車がなかった時代、海と遠く離れている内陸地方で新鮮な海魚を食べることはとても難しいことでした。干しえび、ナマコ、あわび、フカヒレ、スルメ、しいたけ、きくらげ、ツバメの巣などは、水分を飛ばし、乾燥させた典型的な応用例です。食料を乾燥する過程では、ある種の物理的、化学的反応が発生し、食料本来の味を増すこともあります。そして、干すことによって有害物質をある程度取り除くこともできます。数多くの乾燥製品の中でも、フカヒレの製造過程は非常に複雑なので高度な技術を必要としています。
フカヒレの栄養
フカヒレが高級品であり、体に良いことは知っていても、一体どのように健康に良いか、どんな効能をもっているか、はっきり言える人は案外少ないです。フカヒレは、8大「海の幸」の一つとして世界の美食家たちに認められていますが、単なるおいしいだけではなく、栄養価値が高いことでも有名です。フカヒレには痰をなくし、胃を丈夫にする医療効果のほか、コラーゲンが豊富に含まれているので肌を潤う効能もかなり期待できます。
フカヒレは中国4大珍味の一つ
中国の4大珍味は、フカヒレ、ツバメの巣、あわび、ナマコです。中国語でフカヒレは、魚翅(yuchi、ユーツー)と言って「翅」というのは、お魚のヒレを指します。中華料理は油を多く使っていますが、中国の人は太っている人が少ないと思いませんか。改革開放政策の実施と同時に欧米文化が中国に入るようになってから、中国本来の食文化は崩れてきていると言われています。とはいっても、「医食同源」という中国伝統的な思想は、中国人の飲食習慣にしっかり染み付いています。漢方薬を使った薬膳料理、いろんな食材をバランスよく食べる飲食は、何千年にも渡って中国人の健康を守ってきました。
フカヒレスープ
フカヒレは東南アジア産、アフリカ産、インド産、南米産などがありますが、水と気候、そして処置の違いなどによって味と質に違いがあります。中南米のフカヒレは味が非常に淡白であるので、中国の人は中南米産のフカヒレを「金魚翅」と呼んでいます。もちろん、普通のフカヒレより値段も高いですが、中南米産のフカヒレで調理した姿煮、スープは格別な味をしています。
フカヒレと富裕層
「フカヒレは庶民の生活とは縁がない、お金持ちが食べるもの」と思っている人は数少なくありません。経済が発展し、豊かになった中国には富裕層が増えつつあります。中国13億の人口のうち、富裕層は8%を占めていますが、中国経済の繁栄はこの8%の富裕層にかかっているとも言われています。フカヒレは滋養品、贅沢品の存在を超え、ある意味、中国富裕層のステイタス(高級なフカヒレを食べられるほど裕福ということ)のシンボルと言っている人もいます。
フカヒレレシピ
材料(2人分)
水に戻したフカヒレ適量、ネギの千切り少々、生姜の千切り少々
調味料
塩小さじ1杯、胡椒少々、醤油少々、砂糖小さじ1杯、片栗粉適量、中華スープの素適量、サラダ油大さじ2杯
作り方
- 熱くなったフライパンにサラダ油を入れ、ネギと生姜の千切りを入れ炒めます。
- フカヒレ、中華スープの素、水4カップを入れ中火でよく煮込みます。(スープが沸いたら塩、胡椒、醤油、砂糖を入れます)
- スープが4分の3ぐらいになったら味見して、水溶き片栗粉を入れたら「簡単フカヒレスープ」の出来上がりです。
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