りんごは寿命の長い作物……といわれています。
苗木を植えてから実がなり始めるまでに約4~5年、大事に育てるとそれから約数十年間は実を実らせ続けることが可能です。
りんご栽培のほとんどは手作業で行われ、農家の人々が1粒1粒を丹念に育てていきます。
では、りんご農家ではどのようにりんごを育てているんでしょう。ここでは、りんご農家の1年を季節ごとに追ってみました。
りんご農家の方達が、年間を通して丹精にりんごを育てています。
花が咲いて、実がなるのを待ち、収穫するだけではありません。
デリケートなりんごを大事に大事に育てています。
1月の中旬から、剪定といって無駄な枝を切り落とす作業をします。
伸びた無駄な枝や、雪の重みで折れた枝などを切り落とします。
水分が蒸発しないようにしたり、有機物の補給のために、地面には草をはやしていますが、伸びすぎると養分をとられてしまうので、数回、草刈を行います。
花が咲いたら受粉させなければ実になりません。
多くのりんご農家では蜂を飼っていて、蜂に受粉させます。手作業で受粉させると気の遠くなる作業になるため、蜂はりんご農家にとって、とても貴重な存在なのです。
▲蜂が入っている小屋
「中心果」と呼ばれる、真ん中を残して端の実を切り落とすことを摘果と言います。
一つのりんごに十分な栄養が行き渡るようにする作業です。中心果ではない実は成長できずに途中で落ちてしまうことも多く、中心果がダメな場合は周囲の実も全て切り落としてしまいます。
▲林檎の摘果
沢山のりんごの中から、育ちの悪いものを摘み取ります。
残ったりんごが大きく、色良く育つようにする作業です。
▲林檎の実
りんごの色付きがよくなるため、また、虫よけ、病気の予防としてりんごに袋をかけます。紙でできた封筒のような袋をかけます。 袋をかけたりんごは有袋りんご、かけないで育てたものは無袋りんごと言います。
▲袋をかけた終わった林檎
9月の初旬になったらかけていた袋をはずし、
太陽の光をたっぷりと果実にあたるようにします。
▲袋をはぎ彩り鮮やかな林檎
果実に日光が十分にあたるよう、周りの葉を取り除く葉とり、果実を回して満遍なく日光に当たるようにする玉まわしをします。
▲葉とりのすんだとれた林檎
いよいよ収穫です。りんごは追熟しないので、十分に熟したところで収穫です。つるが取れてしまわないよう、丁寧に一つ一つ手で収穫して行きます。
▲林檎の収穫風景
1年を通して大切に育てられたりんごは、こうして収穫され、店頭にならび、私達の元へやってきます。
▲袋につめて直売所で売られている林檎