気象について説明するときに大事なことはたくさんありますが、その中の一つに気温が挙げられます。日本は年間の気温の変化が大きいので、私たちはその気温によって、季節の移り変わりなどを感じています。おおげさなことではなく、本当に地球科学に大きく影響しているのです。
私たちは普通、気温が高ければ暑い(暖かい)、低ければ寒い(涼しい)と感じます。これは、そもそもどういうものなのでしょうか?
気温も、地球科学には欠かせない要素です。気温は大気中(空気中)の温度のことをいいます。もっと具体的に言えば、まわりがよく開けた風通しのいい場所の日光が当たらない地面から1.2~1.5mの高さの空気の温度ということになりますね。
ちなみに、気象庁では、地上1.5mの高さを基準にしています。気温の単位は℃<摂氏(せっし)>であらわします。また、気温を測るには、百葉箱の中の温度計や乾湿計などを使います。
以前は気象台でも、この百葉箱を使って気温を測っていたのですが、今は強制通風筒という金属製の筒に入れられた白金抵抗温度計が使われています。これで、より正確に測ることができるようになりました。
百葉箱は、なるべく直射日光の影響や雨などの影響を受けずに外の気温を測るためのものです。よく学校の校庭などにも白い箱が置いてありますよね。百葉箱の外側は、日光を反射させるために白く塗られ、風通しをよくするためによろい戸になっています。
秋などは日中暖かくても、朝晩は冷え込む…なんてこともありますね。1日の気温の変化を見てみましょう。
太陽の熱によって、はじめに地面が暖められます。そのあと、その熱が地面周辺の空気を暖めていきます。そして、だんだん上のほうの空気も暖められていき、1.2~1.5mの気温が上昇し始めるのです。天気がいい日は、太陽の高度が1日のうちで一番高くなる、南中と言われる時刻に太陽から受けるエネルギーが最も強くなるんですよ。
この太陽から受けるエネルギーのことを日射量といいます。地面が暖められて空気の熱伝達により高さ1.2~1.5mの気温が上昇するまでに結構な時間がかかります。このため、最高気温に達するは午後2時頃となります。
夕方になってくると日射量が少なくなるので、また気温はしだいに下がってしまいます。この日射量…地球科学ととても深い関係があるんですよ。気温については【異常気象とは?】のページでも説明しているので、参考にしてください。
気温は常時観測されています。1日のうちで一番高いのが最高気温、一番低いのが最低気温ということになります。なので、たとえばお昼に発表された今朝の最低気温となると、お昼までに観測された気温のうちで、一番低かった値を指します。
また、日によっては朝よりも日中のほうが低い気温ということもあるため、当然のことながら昼と夕方のテレビ放送などで最低気温が違うこともあるんですね。
このほか、気温に関することで言うと、“猛暑日”という言葉を最近よく聞くようになりました。猛暑日とは、1日の最高気温が35℃以上の日のことです。これは1990年以降、1日の最高気温が35℃を上回る日が急激に増えたため、気象庁で35℃以上の日を“猛暑日”とすることが定められました。また、25℃以上の日を“夏日”、30℃以上の日を“真夏日”といいます。ここで、日本国内での最高気温と最低気温を紹介しましょう。
2007年8月16日に埼玉県・熊谷市と岐阜県・多治見市で記録した40.9℃
1902年1月25日に北海道・旭川市で記録した-41.0℃
ここで、日本の首都・東京の月別平均気温を見ていきましょう。年間の平均気温は16.1℃、最高気温は19.7℃、最低気温は12.6℃となっています。同じ日本国内でも北から南まで、地域によって、だいぶ気温差が激しいです。
平均最高気温(℃) | 平均最低気温(℃) | |
1月 | 9.8 | 2.1 |
2月 | 10.0 | 2.4 |
3月 | 12.9 | 5.1 |
4月 | 18.4 | 10.5 |
5月 | 22.7 | 15.1 |
6月 | 25.2 | 18.9 |
7月 | 29.0 | 22.5 |
8月 | 30.8 | 24.2 |
9月 | 26.8 | 20.7 |
10月 | 21.6 | 15.0 |
11月 | 16.7 | 9.5 |
12月 | 12.3 | 4.6 |