北国に住む人には、なじみ深い雪。雪を見る機会の少ない地域に人たちも氷なら、おなじみです。自然災害や環境問題などが出てきて、地球科学に対する関心が高まっているここ数年、雪や氷にも注目が集まっています。
さて、さっそくですが雪はどこから降ってくるのでしょう?実は雪も雨と同じように、雲のなかで作られます。雲の中に小さな氷の粒がたくさんあることは、【雨】のページでもう説明しています。
これらの粒にまわりの水蒸気がくっついて、雪になるんですよ。この雪は気温が低ければ、そのまま地上に降ってきますが、気温が高ければ、雨になってしまいます。
たいていは、気温が2℃以下になれば雪が降ると言われています。なので、冬でも気温の高い沖縄では、そうめったに雪が降らないんですね。雪は、地球科学が生み出した“美しさ”と言えるでしょう。また、2℃以下でもそのときの大気の状態によって、雪の質感が変わってきます。それについては、次の項目でくわしく紹介しましょう。
雪にも、さまざまな質感(状態)のものがあるんですよ。それぞれの雪の特徴を見ていきましょう。
粉雪はパウダースノーとも呼ばれ、スキーやスノーボードなどのウインタースポーツを楽しむには、いい状態の雪です。気温が低く、空気が乾いているときに降るもので、とてもサラサラしているので、雪玉がかたまりにくいという特徴があります。このため、残念ながら、雪合戦には向いていません…。
「ぼたん雪」は粉雪とは反対に、わりと気温が高いときに降る雪です。水分を多く含んでいるため湿(しめ)り気(け)があり、重いのが特徴と言えるでしょう。大きなかたまりの雪がぼたぼたと降ってくることから、地域によっては「ぼたゆき」とも呼ばれているんですよ。
しんしんと降るのはキレイだなぁ~と思っても、吹雪となると困りますよね…。空から降ってくるものと、まい上げられた地面に積もった雪が空中でごちゃまぜになっている状態を、吹雪といいます。吹雪のときはものすごく強い風も吹いているため、外出には十分な注意が必要です。
そもそも「あられ」とは、雲の中で雪の結晶などに小さな水滴が凍りついて、白く小さな粒となり、降ってくるものです。氷は水が凍ってできたものなので、「あられ」も氷なんですね。氷も地球科学の神秘です♪
ただ、「あられ」と氷の違いは大きさにあります。「あられ」は直径が約2~5mmというふうに決まっているんですよ。さらに、「雪あられ」と「氷あられ」に分けられます。
白い氷の粒です。かたい地面にあたると、あっという間にわれてしまいます。丸い水の粒同士がすぐにくっついて凍るときは、たくさんのすき間がある状態なので、こわれやすくなってしまいます。
半透明(はんとうめい)の氷の粒です。かたい地面にあたっても、すぐにはわれません。丸い水の粒同士がゆっくりくっついて凍るときは、すき間をうめるような状態になるので、こわれにくくなります。
冷凍庫から出したての氷に指がくっついて、はなれなくなった経験はありませんか?私は、小さい頃に時々やりました…(笑)。どうして、そうなるのでしょうか?
指でさわると、冷え冷えの氷の表面が体温によって少しだけ溶けます。けれど、氷はまだ冷たいままなので、また一瞬(いっしゅん)にして凍ってしまいます。氷が接着剤(せっちゃくざい)のような役目をして、指ごとかためてしまうんですね。
急に氷に指がくっついてしまうと、あせってしまうでしょうが、そんなときはあわてずに手に水をかけてください。そうすれば、すぐにとれますよ。これはとても不思議な現象ですが、それだけ氷は冷たいものだということなのでしょう。こんなところにも、地球科学の面白さがありますね!