遺跡や化石は、大昔の人々の生活を知る手がかりとなるものです。地球科学が生み出す“神秘”といっても、言いすぎではないかもしれません。この分野での新たな発見は、地球科学の発展にもつながると思います。
地球科学の進展に役立っている遺跡は、大昔の人々が生活していた場所、生活のあとが残されているところのことを言います。地面を掘って家を建てたり、畑をたがやしたり、おはかを掘ったり…。遺跡から大昔の生活の様子をうかがい知ることができるんですよ。
また、遺跡の多くは土の中にうまってしまっていますが、古墳(こふん)のように、山のようにボコッとなっていて、ひと目でわかるものもあります。ちなみに、古墳とは土を高く盛って作られたおはかのことです。3~7世紀にかけて作られたもので、そこには当時の王たちが眠っています。
そして、そういった遺跡を掘って調べることを発掘(はっくつ)作業といいます。さらに人が住んでいたところや建物のあと、おはかなどのほか、塩や鉄といった何かモノを作ったあと、道路や港のあとなども遺跡とよびますね。
ここで、日本にある遺跡を紹介したいと思います。発掘が進んでいるもの、そうでないもの…日本にはたくさんの遺跡があります。そのなかでも、日本最大級と言われている遺跡を見てみましょう。
みなさんは「三内丸山(さんないまるやま)遺跡」って、聞いたことがありますか?三内丸山遺跡とは、今から約5500~4000年前の縄文時代の村のあとです。
ここでは、建物のあとやおはかなどがたくさん見つかり、当時の人々が使っていた土器や石器、土偶(どぐう)、土・石で作られたアクセサリーから、ひょうたん、ゴボウ、豆などの栽培植物までもが山のように出てきました。今は昔の人の生活の様子がよくわかるように、建物などが再現されていて、1年中公開され、だれでも自由に見学できるんですよ。
地球科学の発展に役立つ、もう一つのものと言えば化石。大昔の生き物の遺体(いたい)や、その生き物の生活の様子が地層の中に残されたものをいいます。
かせきという言葉は、ラテン語のfossio<掘り出されたもの>からきています。新しい時代の貝や、2005年に開かれた愛知万博(あいちばんぱく)でも展示されて、注目を集めたマンモスなども化石なんですよ。
そのほか、化石として知られているものに三葉虫(さんようちゅう)やアンモナイト、恐竜(きょうりゅう)の足あとなどがあります。では、どのようにできるのでしょう?生き物が命を落とすと、それをバクテリアが分解(ぶんかい)します。すると、体のかたいところだけが海底などに沈み、その海底にある土砂は気の遠くなるような長い年月をかけて、地層になります。そして、地層にうもれていた化石が地殻変動などによって出てくるというわけです。
【地質とは?】のページで、地層から化石が見つかる…と書いているのは、そのためです。また、【鉱物】のページで紹介している岩石にも含まれていることがあるので、探してみてくださいね!
一口に化石と言っても、さまざまな種類があります。そのなかでも、大きく「体(たい)化石」、「生痕(せいこん)化石」、「化学化石」の3種類に分けられます。私たちが見つけられるものの多くは、体化石になります。それぞれの特徴を見てみましょう。
脊椎(せきつい)動物の骨やカニのこうらなど、体のかたい部分だけが残ったものを指します。体全体が残ることはありません。
恐竜の足あとや生き物の巣穴など、生き物の暮らしぶりがわかるものを指します。どんな行動をとり、どんな生活をしていたのか…とても興味深いことがわかるでしょう。
DNAなどといった生物起源の有機物(ゆうきぶつ)が化石となったものを指します。ジュラシックパークに登場したコハクの中の蚊から採集した恐竜の血液などは、そうかもしれませんね。