私たちが踏みしめている大地の性質のことを地質と呼びます。地質から、地球科学に関するさまざまなことが見えてきます。土があって、石があって…それが長い時間をかけて積み重なり、地層となります。
地球の大地は、地層や岩石、土壌(どじょう)などでできています。これら地層、岩石、土壌を全部ひっくるめて、地質といいます。地質とは、大地の性質のことを指していて、エネルギーやさまざまな鉱物資源、温泉や美しい景色などを与えてくれます。
そのおかげで、いろんな意味で私たちは豊かな生活を送ることができるんですね。また、建物の建設、地下空間の利用、廃棄物処理などの環境面でも地質は、とても重要な役割を担っています。
私たちが地球上で生きていくために欠かせない地質…。けれど、ときには地震や火山噴火(ふんか)、土砂崩れなどによって大きな災害を引き起こすこともあります。このように、地質は地球科学、もっと狭い範囲で見ると私たちの日常生活とも深いかかわりを持っています。
にもかかわらず、地質の重要性などが多くの人にあまり知られていないのではないでしょうか。地球科学の分野で大きなウエイトを占める地質。みなさんが、これを読んで少しでも地質に興味を持ってくれたら嬉しいです♪
地質のことを知るには、まず土壌(地面の下)を見てみましょう。土壌はさまざまなものが混ざり合って作られています。
土の中にはどんなものが入っているかというと…小石、粘土(ねんど)、砂などがあります。もちろん、色々な大きなものが混ざっていますが、どのような順番で下のほうに沈んでいくでしょう?
この3つでは、小石→砂→粘土の順に沈んでいくんですよ。小石は粒が大きい(重い)ので、最初に沈み、粘土は粒が一番小さい(軽い)ので、最後に沈むというわけです。
さて、地層はどのようにしてできるのでしょう?場所によってでき方は、少しずつ違いますが、ここでは海でできる地層と、火山活動でできる地層について見てみましょう。ここで紹介しているのは、ごく一般的な地層のでき方です。
洪水などによって、海に小石や砂などが運ばれてきます。
重いものははやく沈み、軽いものはゆっくりと沈みます。
こうして異なった層が作られていきます。
これが繰り返されることで、地層ができます。
長い月日を経て、この層がしだいに盛り上がっていきます。
火山で溶岩が噴出します。
風にのって、火山灰が運ばれてきて、それが積もります。
そうすると、いったん火山活動が落ち着きます。
しばらくすると、また火山活動が始まります。
これが繰り返されることで、地層ができます。
自分のまわりにある自然の地層を調べてみたいと思ったら、地質図があると便利ですね。地質図と、地層の調べ方について紹介しましょう。
地質図とは「表土の下にどのような種類の石や地層がどのように分布しているか」を示した地図です。植物、建造物があるかどうかや、表土などはここに描かれていません。基本的に地質図には、地質を知るために、大切なポイントとなる石や地層だけが描かれています。
地層を調べるには、露頭(ろとう)現場に行きましょう。崖(がけ)や河床(かしょう・かわどこ)など、地面下の地層が見えている場所を露頭現場といいます。地層は、層ができるときに盛り上がって、傾(かたむ)いてしまうことが多いです。
なので、まず、どんなふうに傾いているのかを調べることから始めましょう。これには、クリノメーターという特殊(とくしゅ)な道具を使います。また、地層の広がる方向を走行、傾きを傾斜(けいしゃ)といいます。どんな性質の土か、どんな種類の石か…こういったことを調べているうちに、化石が見つかるかもしれません!