台風や地震とともに、日本で多い自然災害の原因として竜巻があげられます。個人的に、今までは海外で多く見られるものだと思っていましたが、最近は日本でも結構ひんぱんに発生するようになりました。
竜巻は台風と、にていますね。台風とのちがいは竜巻のほうが、うずまきの大きさや移動する距離(きょり)が、はるかに小さいこと。反対に、竜巻で起こる風は台風よりずっと強いものです。
このため、いったん竜巻が起こると、どこに行ってしまうのか分かりません。空気が大きくなった積乱雲に向かって、うず状に巻き上げるという現象が起こります。
ものすごいパワーで、またたく間に海や地上にあるものを巻き上げて、大きなヒガイをもたらします。おそるべし地球科学の力、自然の力…と、本当にそう思いますね。ちなみに、大きな積乱雲からできる竜巻のことを「スーパーセル竜巻」といいます。
また、竜巻はその発生のしくみも台風と同じです。空気が暖められたことによってできた水蒸気が雲になって、それがもとになります。竜巻のおそろしいところは、小さな雲でも強力な風を起こしてしまうこと。
雲の底のほうから、漏斗雲(ろうとぐも)とよばれるラッパのような形をした雲が、地表にたれ下がります。空気を次々と吸い上げて台風が近づいていたり、天気が悪かったりすると、空気の流れが重なり、うずまきを作ります。
このうずまきが集まると、まわるスピードは一気にはやくなって、下にあるものを何もかも吸い上げてしまう…これが、竜巻のしくみとなっています。いくら地球科学が進歩しても、竜巻の発生を予測するのは、簡単なことではありませんね。地球科学に関するいろんなデータでなんとかなるものではないのかもしれません。
みなさんは、竜巻にもいくつかの種類があることをご存じですか?竜巻が多く発生するアメリカでは、大きく3つの種類に分けています。
陸上竜巻は<しくみ>のところで紹介したように、ラッパ状の漏斗雲をもちます。大きくて強力なうずが、ありとあらゆるものを巻き上げてしまいます。
空中竜巻は、漏斗雲が雲の底からたれ下がっている状態です。地表まではこないので、ヒガイをもたらすことはありません。
水上竜巻は、漏斗雲が水面に向けてたれ下がっています。うずのまわるスピードがはやくなると、水面があれて、水煙(すいえん)が立ちます。
竜巻は、世界中で発生しています。一番強い竜巻が発生するのはアメリカ、続いてインド、イギリス、オーストラリアという感じになっています。日本はもう少し下のほうなので、それほど強い竜巻は起きていないと言えるでしょう。
そのなかでも、アメリカは強さだけではなく、竜巻が発生する数も多いのが特徴です。アメリカでは、1年間で約800個もの竜巻が発生するんですよ。けれど、どうしてこんなにも多くの竜巻がアメリカで発生するのでしょう?
空と地上の温度差が大きくなると、竜巻が発生します。とくにアメリカの中西部では、昼間の気温が急上昇します。そこに、カナダのほうから冷たい空気が流れ込んでくると、大気の状態がとても不安定になります。また、この地域はロッキー山脈があるため、冷たい空気が入りやすくなっていることも原因の一つなのではないでしょうか。