地球科学のせかい

異常気象とは?

異常気象とは?異常気象は、地球科学において重要なキーワードです。地球科学のことを話すときには、必ず“異常気象”という言葉が出るのではないでしょうか。ここでは、日本を含め、世界ではどんな異常気象が起こっているのかを見ていくことにしましょう。ここ数年、地球は大変なことになっています。

 

異常気象って?

異常気象って?最近よく聞く“異常気象”という言葉…。そもそも、どういったことなのでしょう?異常気象とは私たちが一生のあいだに、めったに経験しない大雨や大きな台風、冷夏(れいか)、暖冬(だんとう)などのことを言います。

気象庁によると、過去30年間に、日本では大雨の日が増えていると言われています。この異常気象が、地球科学にも大きな影響を与えていると言えるでしょう。

あとで、くわしく説明しますが、今問題になっている地球温暖化も、世界中で起こっている異常気象に拍車(はくしゃ)をかけているんですよ。

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世界の異常気象

世界の異常気象世界では、どんな異常気象が起こっているのでしょうか?代表的なものを取り上げて、紹介していきましょう。なかでも日本は、暖かい地域と寒い地域では、異常気象がちがった起こり方をします。

海外のおもな異常気象

・ 異常高温や干ばつ

異常高温や干ばつヨーロッパなどでは、ここ数年異常高温の日が続くこともあり、多くの人が暑さでたおれたり、山火事なども多く発生しています。また、山火事の原因としては、干ばつもその一つですね。雨が降らないことで、深刻(しんこく)な水不足となり、干ばつを引き起こしてしまいます。こうなると、農作物も大きなダメージを受けることになります。

・ 大雨や集中豪雨

雨が足りずにこまるときもあれば、雨が多すぎて大変なときもあります。大雨や集中豪雨に見舞われやすいインドやネパールなどでは、地域によってはものすごく大きなヒガイを受けてしまうことも…。とくに、そういった地域では建築物の基礎を、丈夫にするなどの基本的な対策が必要になります。

日本のおもな異常気象

・ 猛暑や冷夏

夏になると、「猛暑」だとか「冷夏」だとか言いますね。猛暑となり、高温の日が何日も続くと水不足が起こり、私たちの日常生活にも影響を与えます。一方、冷夏は猛暑とは反対に、雨が長く降り続いて、文字通り「冷たい夏」ということになります。いつまでも梅雨が続いているような感じになってしまうかもしれませんね。

・ 大雪や暖冬

比較的雪の多い日本海側の地域では、大雪ということもよくありますね。雪山でのなだれや、近い場所では屋根からの落雪などに注意が必要です。交通機関にもさまざまな影響が出ます。また、うって変わって暖冬のときもあります。毎年雪で苦労する地域にとって、雪が降らないのは助かりますが、それも地球が変になっている証拠ではないでしょうか。

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「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」

エルニーニョの観測された1997年12月の海面温度。

「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」、ニュースなどで聞いたことがあると思います。異常気象とも関係のある、この2つについて紹介しましょう。地球科学の分野でも注目の現象です!

「エルニーニョ現象」とは?

「エルニーニョ現象」は、南米ペルー沖の太平洋の海面の水温がいつもより高くなって、それが1年くらい続きます。赤道近くの太平洋では、東から西へ貿易風が吹いているため、太陽の熱で暖まった海水が西に流れます。すると海水の少なくなったペルー沖では、海の深いところから冷たい海水がわきあがってくるというわけです。なので、太平洋では東と西の海面水温に大きな差が生まれます。

海水温の高いインドネシア沖では、積乱雲ができ、雨がたくさん降ります。けれど、何らかの原因で貿易風が弱くなると、西側のインドネシア沖にあった暖かい海水が東側に流れることで、東のペルー沖では水温が高くなります。太平洋では暖かい海水とともに、積乱雲も東側にうつります。

「ラニーニャ現象」とは?

「ラニーニャ現象」は、「エルニーニョ現象」とは逆の現象が起きます。何らかの原因で、東から西へ吹く貿易風がとても強くなって、ペルー沖の海面水温がいつもに比べて低くなってしまうのが「ラニーニャ現象」です。

ちなみにスペイン語で“男の子”を意味する「エルニーニョ」に対し、「ラニーニャ」は“女の子”を意味するんですよ。また「ラニーニャ現象」は、日本では猛暑や寒冬といった異常気象の原因になります。

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異常気象の原因

地球温暖化私たちにいろんな影響をおよぼす異常気象の原因は、何だと思いますか?残念ながら、まだハッキリした原因はわかっていません。大気の流れや海面の温度、火山の噴火など…さまざまな要因が考えられます。

では、どうして大気の流れや海面の温度が変わったりするのでしょう?もとをたどっていくと、地球温暖化と大きな関係がありそうです。

二酸化炭素などが増えすぎて、地球に熱がこもった状態を地球温暖化といいます。気温が上がると、大気のバランスがくずれて、海水の温度や気圧などにも影響します。地球温暖化が、異常気象の大きな原因の一つといっても間違いはないでしょう。また、地球温暖化は地球科学の研究にも不可欠な問題となっています。


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