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バブル

バブルとはバブル景気のことで、日本の経済の歴史上1,980年代後半から1,990年代始め頃に見られた好景気のことを言います。詳しくは、1,986年12月から1,991年2月までの4年3ヶ月の間を指します。

バブル経済

バブル景気の引き金になったものは、アメリカ・ニューヨークのプラザホテルで行われた為替レートに関する合意によります。急激な円高が進行し、為替相場が1ドル240円前後から120円台まで急激に伸びました。このことから、米国債などのドル建て資産に評価損益が発生し、日系資本が為替リスクのない日本国内に向いました。更に、円高の打撃を受ける予想がされた輸出業界には金融緩和が行われ、過剰な流動性が起こりました。

地価高騰

バブル時期には都市部の土地の高騰だけではなく、遠隔地などでもリゾート開発を名目にして、それまでは見向きもされなかった土地でも、かなりの値段で取引されました。こうした土地を担保に巨額の融資が行われました。土地を有効に利用する目的ではなく、将来土地の値上がりを見込んでのものも多くありました。地価の値上がりを見越して過大に貸し付けることも多く、通常は評価額の70%を目安に融資をするのに対し、当時、破綻した北海道拓殖銀行では120%の融資をした例もあります。こうした融資は、地価の下落によって不良債権となる運命になります。

地上げ

バブル時期に社会問題にまでなったのが地上げです。絶好の好景気の中、大都市の再開発のため、土地が必要になりました。都心の優良地区では土地の所有者が細分化しているうえに、借地や借家が数多くあり、複雑に権利関係が絡んでいました。大規模な開発をするプロジェクトのために、こうした土地をまとめて取得する必要があり、大手不動産や地上げ屋などによる、強引な手口の地上げが社会問題になりました。中々立ち退きに応じない店舗に対して、トラックを店に突っ込ませたり、家主を連れ去って、無理やり脅して書類にサインをさせたりなど、様々な問題が起きました。

財テクと消費

バブル経済の下では、金融・資産運用で着実に利益を上げるのではなく、持っている土地や金融資産を運用し、巨大な収益を上げる財テクが流行りました。オークションで、日本企業がゴッホの『ひまわり』を57億円で落札して話題にもなりました。新居購入のために貯蓄していた一般人は、地価高騰によってマイホームを諦め、旅行に行ったり高級車を購入したりと消費に走りました。こうして、企業や裕福層と共に、一般人までもが消費に走りました。

ファッションと娯楽

バブル時期の価値観や感性を持った若者は『新人類』と呼ばれました。DCブランドが流行し、販売員は『ハウスマヌカン』と呼ばれて憧れの的でした。女性はロングヘアーのワンレングスとボディコンが流行り、理想の男性は『高学歴』『高収入』『高身長』とされ、若手エリートはソフトスーツに身を包み、ヤング・エグゼプティブを略して『ヤンエグ』と呼ばれました。カフェバーやウォーターフロントがトレンディとされました。

海外旅行者も急激に増加し、家庭用ゲーム機も次々と新しいものが開発されました。ゲーム機にCD-ROMシステムを組み込ませたものは、当時で4~5万で発売され、ゲームといえども高級志向が浸透してきていました。

盛り場では大金を手にした社会人から学生まで、大勢の人が繰り出しました。当時ディスコと呼ばれたナイトレジャー開発も盛んになり、1つのビルに入っているのが全てディスコというところもありました。ディスコが乱立しながらも、その殆どが大盛況でした。

就職

好景気を受けて業績が上がり、営業規模を広げたり、多角経営を始めた民間企業が募集人数の拡大もするようになります。こうして学生の獲得競争も激しくなり、青田刈りなども行われ、空前の就職売り手市場になりました。青田刈りの際には、学生が主催するイベントのスポンサーになるなど、様々な手を使いました。内定を出した学生が他の企業に横取りされないよう、国内・海外旅行に連れ出して、他の企業と連絡が取れないようにしたり、OBを通じて後輩に食事をご馳走するなどしてまで入社させていました。バブル景気とは関係なかった公務員には人気が集まらず、公務員の給料は安いといったイメージだけがつきまとい、公務員を社会の底辺と見る傾向がありました。

バブル崩壊

空前の好景気のバブル経済も、やがてはじけるときがやってきます。それまで、決して下落することはないという土地神話がありましたが、地価がどんどん下がり始めました。高値で住宅を購入し、バブルがはじけて資産価値が下がったにも関わらず、固定資産税は高いままで、低金利のローンに借り替えようとしても、担保割れで借り替えられないことが起こりました。雇用の抑制も起こり、就職氷河期へと突入していきます。この頃、フリーターやニートが増加し、雇用の不安定さを浮き彫りにします。

金融機関の破綻

バブルが崩壊し、地価が下がり、不良債権を抱え込んだり、株価低迷のあおりを受け、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、山一證券が破綻しました。こうして大手銀行や証券会社が破綻し、メインバンクを失った企業もまた、倒産の危機を迎えます。他の銀行から新たに融資を受けるのも難しく、結果倒産となった企業も少なくありません。また、一部の保険会社も破綻に追い込まれることとなりました。