もともと焼く(炒める)やきそばの中でも特に焼きにこだわったかた焼きそばについて紹介して行きます。柔らかい麺を固めに焼き、その上からアツアツのあんをのせてふたたび柔らかくして食べる、という面倒な工程を踏みます。面倒なだけに、パリパリの食感の麺と案外いい感じで、おいしい焼きそばです。ただどうも管理人はスナック麺を思い出してしまうので、主食というよりおやつ気分です。ボリューム的には一食分あるんですけど。
かた焼きそばとは
中華麺を揚げて(もしくは強力に焼いて)水分を飛ばしたものをかた焼きそばといいます。これ以上説明しようがないですね。ただ、どうみてもこれではスナック菓子でしかないので、普通はここにあんかけ焼きそばのあんをかけていただきます。つまらないのであんかけソース焼きそばを開発しようと考えたら、お湯を入れないカップ焼きそばってそれですね。どう考えてもまずそうなのでやめておきます。不思議なことに麺を揚げてもかた焼きそばで、普通に炒めても焼きそばですね。なんで素直に炒め麺とならないもんなんでしょうか? ちなみに地方限定ですが、かた焼きそばにはあげそばの別称もあります。管理人的にはこっちの方がわかりやすくて好きです。
かた焼きそばの歴史
インスタントラーメンの元祖って、そうめんの素揚げを元に考え出されたそうです。なるほど、いまでも袋を見ると油揚げ麺と書いてますね。それじゃあ、やきそばも揚げてしまえというので作られたのがかた焼きそば。起源ははっきりしないんですが、あんかけ焼きそばが出来た頃にはもう作られていたらしいです。ふつうのあんかけやきそばだと、どうしてもめんがでろっとしがちなので、カリカリにしてみたんでしょうか?
雑学その1・固いのか堅いのか硬いのか?
かた焼きそばの“かた”の字はどの“かたい”が正解なのでしょうか? 文字の意味からすると、硬いの字があってる気がするんですが、調べてみたら正解がないんですよ。webで調べたらどの文字でもあるし、辞書ではひらがなです。・・・では多数決と言うことで、検索エンジンに硬焼きそば・固焼きそば・堅焼きそばを入力して検索結果数を調べてみました。結果は堅い908、硬い11100、固い21400件がヒット。固いがダントツで一位ですね。しかし、“かた”焼きそばだと80000件がヒットしてしまいました。やはり、はっきりしないときには平仮名が一番ってことでしょうか?
雑学その2・かた焼きそばの麺には
かた焼きそばを作ろうと思うと、問題になるのが麺。やきそばの麺はもちろんですが、お勧めはラーメンを使用するというもの。細麺から太麺まで、自在にチョイスできますし、値段も安いのでお勧めです。変り種としては、ソーメンを揚げてしまうというネタもあります。その他にもインスタントやかたやき用の麺なども販売されていますので、お店に行ったら探してみるといいでしょう。物によっては麺コーナーではなく、乾物コーナーに置いてあることもありますから要チェック。
雑学その3・長崎皿うどんとの違い
さて、どう違うのでしょうか。一般的には麺の太いのが皿うどんで、細いのがかた焼きそばということに落ちついています。でも、太麺のかたやきそばもありますし、細麺の皿うどんもある、とはっきりした違いはないように思います。ただ、皿うどんは別に揚げてなくてもいいんですよね。それこそ普通のうどんにあんが乗ったような皿うどんもあります。どうもあいまいなので、さらに調べてみたらこんな記述を発見しました。皿うどんのあんは塩ベースで、かた焼きそばは塩だけでなく醤油も混ざるとのこと。なぜかと言うと、皿うどんのあんはチャンポンの具から発展したのに対し、かた焼きそばの具は八宝菜・五目旨煮から発展したものだから、ということでした。なるほど、亜流はあるにしても、わかりやすい回答ですね。
あんかけかた焼きそばのレシピ
では、かたやきそばの中でもポピュラーなあんかけかた焼きそばの作り方を紹介します。麺は上でも書いたように、色々な入手手段があります。お好きなものをどうぞ。今回は普通のやきそば用生麺から作りますが、麺の種類が違う場合はそれぞれ調整してください。それでは、材料はこちら。
材料(2人前)
- 焼きそば用生麺 2袋
- 揚げ油 フライパンの底が隠れるくらい(好みでごま油をちょっと加えます)
- 豚肉 50グラム(バラ肉のような脂の多い方がおいしいです)
- 白菜、小松菜、チンゲンサイ、ニンジン、もやしなどの野菜 適量
- えび、いかなどのシーフード お好みで。
- シイタケ、キクラゲなど お好みで。
キクラゲは水で戻し、シイタケは細切りにします。 - ウズラのゆで卵 (なくてもいいですが管理人は必ず入れます)
あんの材料
- 水 300cc
- おさけ、しょうゆ 各大さじ1杯中華スープのもと 小さじ1杯
(下の美味しく作るコツを参照) - 塩 少々
- コショウ 少々(管理人は入れますが、これはお好みで)
※ 以上をかき混ぜておきます。この時点でちゃんと調味しておきましょう
- 水溶き片栗粉 適量(あんのとろみ付けに使用。水2、片栗粉1の割合で)
あんかけかた焼きそばの作り方
ではさっそく作っていきます。今回は油っぽくならないし、中はまだ柔らか、使う油も少なくて済む、管理人お勧めの揚げると言うより「焼き」ます。もっとカリカリしてないとやだ! という人は、油できっちり揚げるか、市販のかたやきそば麺を使うといいでしょう。なお、今回のレシピではフライパンを2個使うと楽です。洗い物は大変ですが。
- まずは野菜・シーフードを一口大に切り分けます。同じくシイタケは細切り、豚肉は一口大に切り、塩コショウします。
- チンゲンサイの根、白菜の芯など、火が通りにくいものがあれば先に炒めるか、湯通ししておきます。
- 豚肉を炒め、その油を利用して、シイタケや野菜類を炒めます。8分どおり火が通ったら、一旦火を止めて麺に取り掛かります。
- 焼きそば用の麺を軽く湯通ししてほぐし、ザルにあけて水気を切ります。
- フライパンの底が隠れるくらいの量を入れて加熱します。あまり浅いフライパンだと危険なので、出来るだけ深いのを利用します。
- 麺を一人前ずつフライパンに落とし、成形しながら両面をカリッと焼き上げていきます。水気が残っているとハネますから気をつけて、優しく入れましょう。
- さっくり麺が焼けたら(揚がったら)余計な油を落として皿に盛り付けます。
- 先ほどのあんのほうに戻ります。シーフードを追加し、あんの調味料をそそぎ全体に絡めます。火が通ったら水溶き片栗粉で適度にとろみをつけます。
- 麺の上にたれを乗せて完成。
もう一手間
とろみがうまくつかないと美味しくないので、片栗粉の入れ方には気を配ります。まわしかけるように、数回に分けて混ぜていくのが基本です。野菜や水分の多い具材が多い場合は、ちょっと固くしても大丈夫。次第に柔らかくなります。また、出来上がりには好みで酢とからしを混ぜた物をかけてもいいでしょう。さっぱり系になります。ただ、カリカリ感を残しておきたいので、酢もあんも、食べる直前にかけるのがポイントです。