新潟以外の人にこの名称を言うと、ほぼ確実に「焼きそばなのにイタリアン?」という反応が返ってきます。しかし、イタリアンがある地域においては、やきそば=イタリアンという図式が成り立つほどに普及しているのです。いまでは、次第にメディアで取り上げられる機会も増え、首都進出まで果たしていますが、もともとは新潟市内のお店が考えた人気メニューだったのです。
イタリアン焼きそばとは
それではイタリアン焼きそばとはどのようなものなのかを検証してみましょう。地元のお店が開発したこのイタリアンやきそばは、店舗オリジナル洋風ソースをかけたやきそば。名前どおりイタリアンな感じのトマトソースのほか、カレーソースやホワイトソースなどのバリエーションがあるので、“洋風あんかけやきそば”と表現するのがいいかもしれません。見た目はミートソーススパゲティに近いのですが、あくまでもやきそばであることの証明として、麺にはもやし、キャベツが加えられています。見た目や名称に違和感を覚えるかもしれませんが、各地の麺料理店が出店していた大阪・浪速麺だらけ(現在休止中)で人気アンケート一位になった実力の持ち主です。新潟に行くことがあったらお試しを。
麺について
詳しくは歴史のほうで紹介していますが、現在イタリアン焼きそばを販売しているお店は2軒ありまして、それぞれに個性があります。まずは開発元であるみかづきさんの方の麺は甘めのソースで太麺。逆にフレンドさんのほうは辛めソースの細麺となります。同じイタリアンを冠していても、随分変わりますね。みかづきさんではその麺をフォークで、フレンドさんではお箸で頂きます。
具材について
具材のほうですが、イタリアンソース、カレーソース、ホワイトソースなどは上に書いた通り。その他にもえびチリソースやマーボーソースなど、さまざまな商品展開がなされています。トッピングもハンバーグや玉子(オムイタリアン)など、バラエティに富んでいます。これらの具材にプラスして、みかづきさんは白ショウガのみじん切り、フレンドさんはベニショウガのトッピングを添えるなど、こちらでも各店のこだわりが観られます。
イタリアン焼きそばの歴史
すごいことに、1959年に開発されたイタリアン。すでに半世紀近い歴史を誇っていますね。みかづきさんの当時の社長が、ソース焼きそばをハイカラにアレンジしたのが始まりです。さて、先ほどからみかづきさんとフレンドさんの違いについて話してきました。なんか仲が悪そうなのですが、実は両店とも母体は甘味喫茶が前身で、お互いに仲がよかったために、イタリアンの販売を認められた仲なのです。現在でも友好関係は続いており、新潟市を中心にしたみかづきさんと長岡市を中心としたフレンドさんできっちり住み分けができています。独占利益より、イタリアンの普及に重点を置いたということでしょうか。みかづきさんはそのほかにも各地でバザーに出品するなど、地域的な活動を続けています。ただ、すみわけがきっちり出来ている上、意外と味付けも違うので、片方の地区の人が片方の地区のイタリアンを食べると、かなり違和感を覚えるとか。管理人は新潟市に出稼ぎしたことがあり、その当時美味しく食べていましたが、新潟市だったのでみかづきさんの方だったんでしょうね。
イタリアン(風)焼きそばのレシピ
実は、新潟地方で人気が出たため、コンビニやスーパーなどにイタリアン風焼きそばというのが結構販売されています。これらはもちろん上記のお店とは関係なく、あくまでイタリアン“風”です。ここでは管理人が出稼ぎを終えて帰郷したために、イタリアンを食べられなくなってしまい、懐かしさのあまり作ったレシピを紹介してみます。本家には遠く及ばないのですが、それなりにおいしいのでよければどうぞ。
材料(2人前)
- 焼きそばの麺 2袋
- ソース 適量
- キャベツ 葉っぱ3枚ほど
- もやし 一握り
- 塩コショウ 少々
イタリアン焼きそばソースの材料
- トマトケチャップ 200グラム(あればトマトソースと2:1でブレンド)
- ひき肉 100グラム
- タマネギ 1/4個
- あれば赤わいんを 大さじ1杯
- 塩コショウ 少々
- 焼肉のたれ 少々
イタリアン焼きそばの作りかた
本家のイタリアンではほとんどケチャップを使用しないらしいのですが、ちょっと家庭レベルではまね出来ないので、ケチャップを使用します。焼肉のたれはさまざまなスパイス・材料が加味されているので、隠し味にはピッタリ。それではイタリアン“風”焼きそばの作り方です。
- まずは、焼きそばの袋に書いてあるレシピにしたがってソースやきそばを完成させます。
- 次にひき肉は塩コショウ、タマネギをみじん切りにします。
- タマネギをじっくり炒めて甘みを出します。焦がさないように。
- タマネギが炒めあがったら、ひき肉・赤わいんを入れます。
- ケチャップソース、焼肉のたれを入れて一煮立ちしたら、塩コショウで調味します。
- やきそばの上にソースをかけ、お好みで白または紅しょうがを沿えて完成。