ここ20年ほどの間に、何度「地球温暖化」が叫ばれてエコロジー運動を盛り上げてきたのでしょうか。
地球温暖化の原因とされるものの排除や、それに伴う代替製品やエコロジー製品の登場に何度財布の紐を緩めてきたでしょうか。
しかし、これまでのエコロジーとは結局「1999年までのノストラダムスブーム」と同質であると言ってしまってもいいでしょう。
本当の意味での地球温暖化について解説していきます。
地球温暖化の基礎知識
地球温暖化は一般的に、温室効果ガスの影響によって気温が下がりにくくなっていることで進行する現象です。
地球は太陽から受ける太陽光の熱によって温められているのですが、必要以上の熱は大気圏外に排出されています。
しかし、温室効果ガスは熱を逃げにくくし紫外線の量を調節するオゾン層を破壊して気温を上げる働きを持っています。温室効果ガスは大気中の熱を押し留め、地球全体の平均気温を上昇させていくのです。
温室効果ガスの正体とは
温室効果ガスとされているものとして、もっとも有名なのが二酸化炭素です。二酸化炭素は、大気中の熱を逃しにくくする働きを持っていることから温室効果ガスの筆頭と目されています。
他には、石油天然ガスの主成分であるメタン、オゾン層を破壊するとされるフロンガスがあります。これらの温室効果ガスが複合的に作用することで、地球温暖化が進行していると考えられているのです。
地球温暖化に対する世界の取り組み
地球温暖化の影響は、「世界的に温暖になる」というレベルではなく「極点の氷山が溶けて海の水位が上がる」「水没する都市が出てくる」「砂漠化が進行する」といった危機が伴っています。
そのため、世界的に温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を減らす取り組みを行っていくための「京都議定書」を作成し、世界全体での二酸化炭素を減らしていこうとしています。しかし、京都議定書にはアメリカなどは参加しておらずその姿勢を非難する環境保護団体も少なくないのです。
知られざる地球温暖化
しかし、マスコミや政府などで取り上げられる地球温暖化問題は肝心なことが欠けていると感じる人も多く居ます。それは、「地球という惑星自体のサイクル」です。
200年前は寒かった地球
実は、石油や石炭が使われていなかった200年前の地球は寒冷化の真只中だったのです。この寒冷化は14世紀から19世紀半ばの500年近くにわたって続き、「小氷期」とも呼ばれています。小氷期においては飢饉も多く、冬ともなれば家から一歩も外に出られないことが当たり前だったのです。
寒冷化と温暖化と飢饉の関係
この小氷期における日本は、度重なる飢饉に悩まされていました。現代で「飢饉」というと「温暖化による日照りで水不足」というイメージがあるのですが、むしろ当時の飢饉は冷夏による作物の生育不順が原因だったのです。
寒冷化によって、気温が低すぎると植物は成長するための光合成を充分に行うことが出来なくなります。一方、温暖化によって、気温が高すぎると今度は水不足を招いて光合成が阻害されます。
このように、寒冷化も温暖化も進みすぎると食糧難を引き起こすことになるのです。
温暖化と寒冷化はあざなえる縄の如し
そして、もっと重要なのは温暖化の次は寒冷化、寒冷化の次は温暖化と言うように地球全体の気候は温暖期と寒冷期が交互に来るのです。寒冷化が進むと海中に埋蔵されていた二酸化炭素が放出され温室効果を発揮して温暖化が起こります。
温暖化が進むことで増加した二酸化炭素は植物によって吸収され、光合成が活発に行われるようになり二酸化炭素の濃度は低下します。これによって温室効果が弱まり気温が低下して寒冷化が進んでいくことになります。この交互のサイクルによって長期にわたる地球の気候は保たれてきたのです。
最強の温室効果ガスとは?
それに、実は二酸化炭素が最強の温室効果ガスと言うわけではありません。二酸化炭素はメタンやフロンなどと同じく「人為的に放出される温室効果ガス」の中で最強なのです。
では、自然界における最強の温室効果ガスとは何なのでしょうか?
答えは「水」です。つまり、太陽光で蒸散する海水は空に上って雲になると同時に熱を逃さないようにしているのです。
一方、雲は太陽光を遮る役割を持っているので自然に気温は下がっていきます。雲の形が保てないほどに温度が下がったら、雲は雨になって太陽光からの熱を地上に降り注がせるのです。このように、水は温室効果ガスという悪役以上の役割を持った存在なのです。
温暖化による水位上昇は?
「温暖化が進めば南極・北極の氷山が溶けて水位が上がる」といわれていますが、それは果たして正しいのでしょうか?
水位はもう上がらない?
「氷山の一角」という言葉があります。海面から出ている氷山は、ほんの僅かで大部分は海に沈んでいるという意味です。「アルキメデスの原理」という科学法則があります。
「器に注いだ水の中に物体を入れて、押しのけた水の重量が物体の重量である」というもので、この法則を入浴中に発見したアルキメデスが裸で「エウレカ! エウレカ!」と叫びながら大路を走り、それを吉田兼好が見て徒然草に書き残したのは有名です。
つまり何が言いたいのかと言うと「極点の氷山は既に水を押しのけた状態である」と言うことです。
氷山の性質と水の性質
ファーストフードで飲むジュースには、必ず氷が入れられています。ジュースに手をつけず氷が完全に溶けてしまった状態になっても、コップからジュースが零れることはありません。氷の入った状態の水位は氷が溶けきった状態の水位と同じなのです。
このジュースと氷を海と氷山に置き換えるとどうでしょうか。例え氷山が溶けきっても水位は上がらないことになるはずです。「コップと地球ではスケールが違う」という反論が出るかもしれません。ですがその反論は的外れといわざるを得ません。なぜなら、科学法則と言うものはスケールが違っても適用されるものなのです。
地球温暖化の背景は?
では、なぜこれほどまでに様々な「地球温暖化の危機」を声高に叫び続けているのでしょうか?
それは、「利益が生じるから」という理由の一つがあるからではないでしょうか。効果のある広告というものは、「好奇心を煽るもの」と「危機感を煽るもの」の二種類があります。
「新製品」「今までの常識を覆す!」といった広告は前者で、消費者の興味を引いた時点で成功といえます。一方、後者は「流行に乗り遅れるな!」「これからの時代はこれで決まり!」といった内容のものです。これは、「流行遅れになることは仲間はずれに繋がる」といった潜在的な恐怖を煽ることで、購買理由を消費者に与えているのです。
地球温暖化をはじめとする環境問題はこの後者の「危機感を煽る広告」によるものといえます。「地球規模の危機」の前には、地位や財力と言うものは無力なのです。
地球温暖化は空虚な陰謀論か
しかし、こういう方向に話を展開させると地球温暖化自体が陰謀論のように思われがちですが、実際のところは「地球温暖化は進行しているが、マスコミが騒ぎ立てるほどの速度では進んでいない」というのが実情ではないでしょうか。
46億年という歴史を刻んできた地球にとって、数十年の温暖化と言うものはちょっとした発熱かもしれません。私たち人間が大げさすぎるのか、地球のスケールが大きすぎるのかはともかく、確かに地球は暖かくなっているのです。
温暖化の次にくる寒冷化の用意は出来ているのか
最近は、「地球温暖化はたいした問題ではない」という考えが広まり始めています。それがアメリカの京都議定書の不参加に繋がったという説もあります。確かに、地球温暖化はたいした問題ではないのかもしれません。それ以上に重大な問題は、確実にやってくる地球寒冷化です。
地球温暖化抑制のために森林を育てて、二酸化炭素を削減していけば温室効果が弱まり、気温が下がっていくことになるでしょう。実際に、現時点ではヨーロッパの平均気温が下がっているという報告もあります。地球温暖化を回避した後には、確実に地球寒冷化がやってくると考えて差し支えないでしょう。
石油の使い方が今後の気候を左右する
小氷期を終わらせたのは、産業革命以後の蒸気機関の普及であるといわれています。蒸気機関の燃料に薪や木炭を使い、資源が足りなくなったので石炭・石油と化石燃料に手をだしたことで二酸化炭素を固定する森林が減少し、二酸化炭素の量が増え気候が温暖になっていったのです。
つまりこれは、人類が温暖化と寒冷化を左右するほどの存在になっているということでもあるのです。既に人類は、石油の使用量を減らし森林を増やして地球を冷やし、寒くなったら石油を使い、森林を活かして二酸化炭素を増やして温暖化させるといった気候自体の操作できるのです。今後訪れる可能性の高い寒冷化のためにも、石油資源を大切に使っていきたいですね。