それゆけ!石油探検隊

石油の種類を知る!

私たちは、「石油」という言葉をどのような意図で使っているのでしょうか?
ガソリンや灯油などの精製された石油由来の燃料を指したり、原油そのものを指したりするために使用していることがほとんどではないでしょうか。
そんな身近でありながら意外とあやふやな石油について解説していきます!

「石油」とは何か

「石油」とは何か

石油とは化学的に言えば「炭化水素化合物が液体化したもの」ですが、言語学的には「化学的に原油と定義されるものと、原油を精製して得られる石油製品の総称」となります。
つまり、ただ「石油」と言うだけではそれが灯油やガソリンを示しているのか原油そのものを示しているのかがはっきりしないのです。


石油の分類を知ろう!

では、一般的に石油と呼ばれるものはどのように分類されるのでしょうか?

原油
原油は、油田から採取されたままの石油を指しています。原油には、全ての石油製品の成分が含まれており、黒くドロッとした色合いを示しています。原油はそのままでは不純物が多く成分のムラで安定した燃焼が行えないため、精製する必要があります。

灯油

灯油はガソリンに並ぶ、身近な生活を支える石油製品です。引火しやすくなる温度が40℃以上なので常温保存がしやすく、純度を高めればロケットの燃料としても使えるという優れた石油製品といえます。

軽油

沸点が180℃から350℃の間にある石油製品が軽油です。ディーゼルエンジン車の燃料として使われるのが一般的ですが、様々な問題を抱えた燃料であるといえます。

重油

重油は、原油からガソリンや灯油を分離した残りの部分を占める石油製品です。タール分などが多く、ネトッとした質感を持っているのが特徴です。基本的にはボイラーの燃料といった工業目的で使用されます。

ガソリン

私たちの身の回りにある石油製品の中で、もっとも身近なものといえるのがガソリンです。沸点が30℃から220℃の間ととても低く、揮発性が高いのが特徴です。ガソリンには、自動車用・航空用・工業用と用途別にさらに分類され、燃料や溶剤などに利用されます。

ナフサ

ナフサは、工業原料として盛んに利用される石油製品です。燃料としても利用できますが、プラスチックなどの原料としての用途が使用量の大半を占めています。ナフサは沸点が低くガソリンとともに選り分けることができます。

石油を精製する方法とは

石油を精製する方法とは

これらの石油製品を、原油から取り出すにはどうすればよいのでしょうか?


蒸留して分離・精製する

これらの石油製品は液体である以上、ろ過などで分離することは出来ません。しかし、液体の混合物であるということは、それぞれの特徴が残っているということでもあります。そこで、蒸留法を利用して原油の成分をそれぞれの石油製品に分離していくのです。
原油を蒸留装置に通して間接的に加熱していくと、原油の中に含まれている石油製品の成分が沸点で気体に変化します。気体になった石油製品は比重を利用して装置内で選り分けられ、冷却されて液体の状態に戻されます。こうしてようやく使用に適した石油製品が得られるのです。

脱硫処理

石油には、基本的に硫黄が含まれています。硫黄成分は、臭いが強い上に燃焼すると硫黄酸化物を生み出してしまう厄介者なのです。なので、脱硫処理は石油を精製する上で欠かせない工程となっています。
脱硫には触媒を用いる水素化脱硫がもっともポピュラーな手段として普及しています。水素化脱硫は、モリブデンなどの金属を触媒として石油製品と接触させることによって、水素反応によって石油製品に含まれる硫黄や窒素・酸素が水素と化合して分離することが出来るのです。

流動接触分解

工業目的などに用途が限られる重油は、特定の操作を加えることで高品質のガソリンや軽油に精製することが可能です。その操作が「流動接触分解(FCC)」なのです。ガソリン会社数社では、ハイオクガソリンの精製過程でこのFCCを行っているのです。

石油を精製する意味とは

石油を精製する意味とは

では、石油を精製して石油製品という形にして使用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?


環境破壊を抑える

環境破壊の原因として言われるのが、石油を含む「化石燃料の燃焼」です。石油には窒素・酸素・硫黄が含まれていますが、燃焼反応によって窒素酸化物・二酸化炭素・硫黄酸化物を発生させます。
窒素酸化物や硫黄酸化物は酸性雨や光化学スモッグの原因物質のひとつでもあるため、これらの含有成分を除くことは環境を維持するのに重要な役割を果たすのです。

品質の向上

科学的な仕組みにおいては、不純物が含まれていないことが大前提の条件となります。なので、理科の実験などでは不純物を取り除いた蒸留水を使うのです。
それはガソリンエンジンなどでも同じことで、不純物が含まれているとエンジンの材質に悪影響を与えるのです。そのため、石油製品から不純物を取り除くための精製過程は必要不可欠なのです。

除去した成分の二次利用

石油精製で分離された含有成分や不純物には、別の使い道があります。たとえば、道路を舗装するために使われるアスファルトは、石油を蒸留する過程で残った残油が原料なのです。
脱硫過程で分離された硫黄は、工業製品などの原料としても利用できます。脱硫処理の確立によって、採掘硫黄の商業的な価値が失われたのは有名な話です。このように、燃料以外の役目で利用できる物質を分離するのも石油精製の大事な役目なのです。