どうしたらおいしい天ぷらが作れるのでしょうか。初めて天ぷらに挑戦する人も、自分の作り方が身についている人も確認しておきましょう。天ぷらで大切なのは、油・衣・火加減といわれています。油は新鮮なものを使い、衣はさっくりと、火加減によって仕上がりが左右されます。
衣は基本、粉類と水を1:1の割合で作ります。卵を加える場合は卵と水を合わせて計量します。氷水にあてると粘りが出にくくなります。また、混ぜすぎないように軽く混ぜます。水分の多い具には、衣をつける前に薄く小麦粉をまぶします。
変わり衣には、衣の中に混ぜるものや、衣のあとにつけたり巻きつけるものがあります。青海苔や紅しょうが、種実類などなんでも試してみてください。
うに衣…卵黄とうにの量を同じくし、衣をつくります。
しそ揚げ…大葉を巻いて天ぷらにしたものです。
そば衣…そば粉7:小麦粉3にした衣です。
抹茶衣…抹茶を加えた衣です。
松葉揚げ…茶そうめんを衣の上からまぶします。
道明寺揚げ…具材に卵白を絡ませ、道明寺粉をまぶしたものです。
春雨揚げ…具材に卵白を絡ませ、春雨をまぶしたものです。
かるかん揚げ…摩り下ろした山芋に卵白と小麦粉を加えたものです。
油は揚げ物用の油も市販されていますが、家庭ではごま油とブレンドします。これだけで風味が良くなります。料亭では椿油や太白油など数種類ブレンドすることもあります。
揚げ物用の油とサラダ油のどちらが良いのかというと、揚げ物用の油はいやな油のにおいを取り除いていますが、サラダ油のほうが精製度が良く、低温でも変質しにくいのでどちらともいえません。
家庭で好みの油を作ったほうが、仕上がりも好みの天ぷらを作ることができるでしょう。揚げ物用の油は、大豆油・なたね油・綿実油・コーン油などがブレンドされていますから、家庭でもお好みの油を配合してみてください。
油はなるべく少なく使いたいものですね。油を少なくする方法としては、
といった方法があります。 フライパンを使うと温度が上がりやすいので、調理は難しく感じます。少なくとも5cmは油を入れることで短時間で調理することができます。
油をどれだけ吸うのか?ですが、素材や切り方によって違ってきます。吸収量は素揚げ・唐揚げ・フライ・天ぷらの順に高くなります。ただし、揚げる素材の水分の量や衣によって、フライでも天ぷらより多くなることがあります。
・野菜は水分をたっぷり含んでいるものが多いので、水気をしっかり切って調理します。
・天ぷらを揚げるタイミングは、火の温度が上がってからです。適温になる頃に、衣の準備が整っているようにしましょう。
・鍋にたくさん具が入っていると温度が下がってしまいます。油の面積の半分以下に抑えましょう。
・浮いてきた天かすはこまめに取りましょう。
その昔は、ご飯をよく食べていましたから、濃い味が好まれました。衣も厚く、濃いつゆに浸して食べるのが丁度良かったのでしょう。最近では天ぷらだけを食べることも珍しくなく、薄味が好まれます。
薄味が好きな人の場合、だし7:しょうゆ1:みりん1にします。しょうゆも濃口薄口を好みで選び、ブレンドしても良いでしょう。普通の味を好む人はだし4~5:しょうゆ1:みりん1が丁度良い分量となります。