埼玉県を訪れたときに、「草加せんべい」をお土産として買って帰る観光客も多いと思います。
実は結構古い歴史を持っているんですよ。ここでは、お米から作る「せんべい」の元祖とも言われている「草加せんべい」がどんなものなのかを紹介していきましょう。
「草加せんべい」の特長は、堅焼きならではのパリッとした食感と何ともいえない醤油の香ばしい風味ではないでしょうか?噛めば噛むほど、醤油の香りが口いっぱいに広がります♪
「草加せんべい」のあの固さは、この香りを引き出すために計算されたもののようにも思えますよね。最近は食べ物をあまり噛まない子供たちが増えているということをよく耳にします。
よく噛まなければ簡単には食べられない「草加せんべい」をお子さんのおやつにいかがですが?またシンプルな醤油味の「草加せんべい」は日本茶ともよくあいますよ。
ここで「草加せんべい」の歴史をちょっとのぞいてみましょう!
「草加せんべい」の歴史はとても古く、その起源は数百年も前にさかのぼると言われています。ですが、あまりにも歴史が古すぎて、正確な年代などはわかっていないのが現状です。ともかく、人々が長旅などに出るときに持参した乾餅がもとになったと考えられています。
この餅は、その堅さから堅餅とも呼ばれ、庶民の保存食として重宝していたんですよ。のちに人気を呼んだ塩味をつけた堅餅が、「草加せんべい」の始まりとされています。 草加は、良質のお米や醤油、豊富な水があったことから、醤油味の「焼きせんべい」が名物になったんですね。
そして「草加せんべい」は舟で江戸(今の東京)にも伝えられ、江戸っ子たちのあいだでもおいしいと評判になりました♪
「草加せんべい」のルーツに関してはいくつかの説があるのですが、一番よく知られているお仙(せん)さんのエピソードをお話しましょう。
昔々、日光街道にある草加松原の茶屋で、お仙というおばあさんが団子を売っていました。その団子はおいしいと大評判だったそうです。ある日、通りがかりのおサムライさんに団子を潰して乾燥させ、焼き餅にして売ってみてはどうか?と言われ、お仙さんはさっそく作ってみました。すると、たちまち話題になりました!やがて、それの煎餅が草加の名物になったというわけですね。
このエピソードが実話かどうかは正直、私にもよくわかりません。実際に草加市には、せんべい屋さんが多くあります。その数なんと60軒以!醤油のいい香りと、カラフルなのぼりにつられて、つい立ち寄りたくなってしまいます♪
オーソドックスな「草加せんべい」といえば、醤油味ですよね!いつたべても昔懐かしい味がします♪ほかにもいろんな種類があるので、お気に入りを見つけてくださいね。
しょうゆ、みそ、ゴマ入り(少なめ)、ゴマ(多め)、海苔(のり)、とろろ
にんにく、からし入り、唐辛子
ざらめ、砂糖せんべい(白タイプ・抹茶タイプ)
それでは、堅焼きの「草加せんべい」がどうやって作られているのかを見ていきましょう。
- 厳選されたお米を精米し、よく水とぎをします。
- 製粉機でお米を挽いてから、蒸練機を使って蒸します。そのあと、きれいな水で何回も冷やします。ここが大事なポイントですよ!
- 冷やされた餅(しんこ)を餅つき機でよくついて、のし機にかけて型抜きをします。
- ゆっくり時間をかけて(8時間以上)乾燥させたら、生地ができあがります。できれば2~3日間天日干しするのが理想的です。
- 「せんべい」の生地の水分を均一にするため4~5時間ホイロであたためてから、焼いていきます。
- あとは押しては返し、返しては押して丁寧に焼き上げます。最後は熱いうちに醤油をぬって完成です。
草加市は埼玉県の東南部にあり、町の南部が東京都足立区に隣接しています。水と緑に恵まれた中川、綾瀬川下流域にひらけた東西7.24km、南北7.6km、総面積27.42平方kmの都市です。
昭和37年の東武伊勢崎線と地下鉄日比谷線の相互乗り入れや、その当時マンモス団地と言われた松原団地の建設などによって、昭和38年には人口が5万人を突破し、昭和43年には、県下8番目の10万都市になりました。
東京が近いという立地条件のよさも手伝って、昭和50年代後半から人口は急激に増え、現在では23万人を超える都市となっています。草加市の名産品として、これまで紹介してきた「草加せんべい」のほかに紙製品やクワイ(オモダカ科の水生多年草:日本や中国では球根を食べます)などが挙げられます。