光の自然現象

虹は、太陽の光が雨つぶの中で屈折（くっせつ）して見えるために7色となっていました。では、他に光の屈折が利用されている自然現象について見てみましょう。

 

光の屈折（くっせつ）で、遠くの景色がのびたり、2重に見えたりする現象があるのを知っていますか？　蜃気楼（しんきろう）と呼ばれる現象で、温度や水、光の条件がそろうと見ることができます。この言葉を聞いたことがあると思います。どのようにして、蜃気楼のふしぎな現象が見られるのかを説明しますね。

蜃気楼のできるとき

蜃気楼は、水がある場所で良く見ることができます。海や広い湖のあるところでは、遠くの景色や建物が、2重に見えたり、のびていたりすることがあり、蜃気楼（しんきろう）と呼ばれています。それは、見ている場所から見える建物までの間に秘密が隠されているのです。海や湖の夏は空気よりも冷たく、冬は暖かいという特ちょうがあります。蜃気楼が良く見られるのは、冬の時期です。冷たい空気と暖かい海の冬には、海の表面に当たった光が曲がっていくときに反射して、遠くのほうの景色が変わります。

蜃気楼の見える場所

日本では、北海道や富山県などの海岸に面している場所で見ることができます。だいたい、冬や春ころに見ることができます。蜃気楼は、温度の差がはげしい時に見ることができるので、雪の降る地方で見られることが多いんですね。私たちのまわりでも小さな蜃気楼を見ることができます。たとえば、雨が上がった後にとても熱い空気が来た水たまりの上や、ストーブなどの熱いものから湯気が出ている時にも起こります。

カミナリは、虹と似ている現象で作られています。かみなりは、太陽の光を利用しているわけではありませんが、稲妻（いなづま）となって光っていますよね。

カミナリができるとき

カミナリは、雲の中にたまる電気が一気に地面へと逃げるときに起こります。電気はプラスとマイナスがあります。電池にも表示されていますね。雲と雲がこすれあうと、プラスの電気とマイナスの電気がたくさんたまっていきます。雲の中には氷のツブがたくさんあるので電気が起きやすいのです。雲の中にためきれなくなると、地面へ向けて電気を流すのです。カミナリは虹と違って、光を反射させているのではなく、自分で電気を起こして光っているのですね。

いなづまができるとき

カミナリが起きているときは、空中に電気が走り稲妻を見ることができますね。本当は空気の中では電気が通らないため、カミナリが落ちてくるのはとてもふしぎな事なんです。空から地面に向かってカミナリは空気の中を通るとき、空気の小さなツブをよけながら落ちていきます。そのため、いなづまはジグザグしながら下へと行くのです。

カミナリの音

カミナリが光った後、ゴロゴロ、ドドーンと音が鳴りますよね。光ってから音が鳴るまで何秒かかったかを数えてみましょう。光は私たちの目にすぐとどきますが、音はすぐには伝わりません。花火を遠くから見ると音が後から聞こえてきますよね。音は、1秒に340メートルくらい進んでいます。光ってから3秒後に音が聞こえたとき、自分がいるところから約1020メートル離れた位置にカミナリが落ちたと計算することができます。

ダイヤモンドダストは、雪が降っていて太陽が明るく出ているときに見ることができる自然現象です。降ってくる雪や氷の結晶（けっしょう）に太陽光が当たってキラキラとかがやいているのです。

ダイヤモンドダストが見えるのは？

雲になるはずだった水のツブが、マイナス20℃くらいの寒いときに氷の結晶となってしまうことがあります。そのとき、ふだんは降ることのない氷が降ってきて太陽の光によってきらめいて見えるのです。ダイヤモンドのようにきれいなことから、この名前がつけられました。ただ寒いだけではダイヤモンドダストが作られません。寒いときには空気の中の湿度（しつど）がとても低いのですが、そのときには氷が降ってくることは本当に少ないのです。虹は世界中のどこでも見ることができますが、ダイヤモンドダストは雪の降る場所でしかみられないものですね。冬の時期にはテレビニュースなどで見ることができますね。とても寒い地方でしか見ることのできない特別な存在です。