マリオネットは、人形劇で使われる操り人形です。上から糸で操るので糸繰り人形とも呼ばれます。中世フランスを起源として、世界中で見ることができます。
マリオネットを使った作品も数多くあり、子供だけではなく、大人にも人気があります。木で出来ているもの、布でできているものなど、様々なマリオネットがあります。学校の自由研究で作ってみるのもいいですね。
パペットは、人形劇で使われる人形の1つで、主に手や指で人形を操作するものです。小さい子供の玩具としても親しまれています。
指人形もパペットの1つで、主に指のみに人形をはめて劇などを行います。子供の玩具としても様々なキャラクターの指人形が販売されていて、人形劇に使う身近な人形とも言えます。
人形浄瑠璃は文楽とも呼ばれます。文楽は人形浄瑠璃専門の劇場の名前を指します。江戸時代初期に、人形芝居が三味線音楽、浄瑠璃と結びついて生まれました。
2003年には『人形浄瑠璃文楽』として、世界無形遺産に登録されています。
人形浄瑠璃は男性が演じます。三業と言い、太夫、三味線、人形遣いで成り立つ、三位一体の演芸です。床と呼ばれる客席の上手側に張り出した演奏用の場所があり、太夫と三味線引きが回転式の盆に載って現れ、ここで浄瑠璃を演奏します。人形のことは手摺と言いますが、人形遣いの腰から下が隠れる部分を手摺というところからきています。
太夫 |
浄瑠璃語りのことを太夫と言います。基本的に1人で物語を語ります。情景描写から始まり、数多くの登場人物を受け持ちますが、長い作品になると途中で別の太夫と交替します。掛け合いがある場合は複数が並ぶことになります。 |
三味線 |
太棹の三味線を使い、正座をして演奏しますが、膝を大きく広げて坐るため、尻は両足の間に完全に落ちている形になります。 |
人形遣い |
黒衣姿で人形を操る人です。昔は1つの人形を1人で操っていましたが、現在では1つの人形を3人で操るのが普通です。首と右手を『頭』と呼ばれる主遣いが、左手を左遣い、脚は足遣いが操作します。3人は主遣いの合図で呼吸を合わせています。 |
文楽人形は、木曾檜を使い、眉や目などの動く部分には仕掛けをし、内部にいなづき糸などをつけて表情を豊かに見せる工夫がされています。頭(かしら)を動かすための操作索には、鯨のひげが使われています。
人形に着せている衣裳はその都度脱がされ、頭と別々に保管します。使う際には、人形遣いが自分で人形に衣裳をつけることになります。このことを人形こさえと言います。
『人形浄瑠璃文楽』は、世界無形文化財に指定されていますが、それ以外にも、国指定として『重要無形民族文化財』に指定されている人形浄瑠璃が数多くあります。
相模人形芝居 |
神奈川県 |
保護団体名:相模人形芝居連合会 |
厚木の林座、長谷座、小田原の下中座の他、平塚市の前鳥座、南足柄市の足柄座の2座も加盟。 |
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佐渡の人形芝居 |
新潟県 |
保護団体名:佐渡人形芝居保存会(佐渡文弥人形振興会、新穂村人形保存会) |
演目は『源氏烏帽子折』など。文弥節は古浄瑠璃の1つ。 |
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真桑人形浄瑠璃 |
岐阜県 |
保護団体名:真桑文楽保存会 |
物部神社で奉納上演される。じょうえん海上の『真桑の人形舞台』は重要有形民族文化財。 |
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安乗の人形芝居 |
三重県 |
保護団体名:安乗人形保存会 |
別名安乗文楽とも言い、安乗神社で奉納上演される。 |
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淡路人形浄瑠璃 |
兵庫県 |
保護団体名:財団法人淡路人形協会 |
常設館『淡路人形浄瑠璃館』がある。淡路島の学校のクラブ活動や部活動も盛ん。 |
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阿波人形浄瑠璃 |
徳島県 |
保護団体名:財団法人阿波人形浄瑠璃振興会 |
振興会には人形座14団体、太夫部屋6団体、三味線師匠6団体が所属。学校のクラブ活動、部活動でも盛ん。人形師・天狗久の製作用具や製品などが重要有形民族文化財に指定されている。 |
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山之口の文弥人形 |
宮城県 |
保護団体名:山之口麓文弥節人形浄瑠璃保存会 |
文弥節は古浄瑠璃の1つ。 |