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だるま

縁起物、必勝祈願として親しまれているだるまは、仏教の禅宗の祖である、達磨大師の坐禅姿を模した置物で、玩具としても親しまれています。その多くは張子作りで、片目を入れずにそのままにしておき、祈願が叶うと目を書き入れる習慣のある人形です。雪で作った雪だるまは、このだるまを雪で模したものです。

だるまの種類

だるまは作られる地域によって、色や材質に違いがあり、生産される地域名をつけて区別されます。

名前 産地 特徴

高崎だるま

群馬県高崎市

だるま全国生産の80%、年間130万個が生産されています。『上州だるま』とも呼ばれ、形状は球に近く、赤い胴体に白くくぼんだ白い顔で豪快な髭と眉毛が描かれています。衣服の部分には縦縞が金色で描かれ、正面の中央や顔の左右に文字が入ります。祈願内容などを入れることができるので、祈願の象徴や祝儀の贈り物として使われます。選挙で使われるだるまのほとんどが、この高崎だるまです。

白河だるま

福島県白河市

白河市で作られるだるまの特徴は、長いあごひげです。年間15万個が作られ、厄除け、家内安全のための赤だるまと、開運のための白だるまがあります。

東京だるま

東京都深大寺

近代的な、合格祈願だるまやカラフルだるまの発祥と言われています。

鈴川だるま

静岡県富士市

富士市岳南町で生産されています。穏やかで優しい表情のだるまです。

越谷だるま

埼玉県越谷市

江戸時代の享保年間、だる吉という人形師が『起き上がり小法師』という玩具に、坐禅を組んだ達磨大師を描いたのが始まりとされています。色白で鼻が高く、福福しいという特徴があります。ほとんどが手作業で、年間40万個が生産されています。川崎大師や柴又帝釈天など、関東一円を始めとして、全国に出荷されています。

姫だるま

大分県竹田市

神功皇后に由来する、だるまの形をした人形です。愛媛県が発祥地の地と言われています。

 

だるまを模した玩具

だるま落としだるまを模したものとして、『だるま落とし』という玩具があります。

一番上にだるまを乗せ、その下に同じ形状の円柱を重ねて積み、横から1段ずつ木槌で叩いてはずしていき、倒れないように一番上のだるまを落とす遊びをするためのものです。土産物屋などで見かけることが出来ます。


だるまはなぜ赤い?

だるまだるまといえば、赤い体で険しい顔を思い浮かべますが、どうしてだるまの体は赤いのでしょうか。

古来からだるまは赤を基調としたものがほとんどです。達磨大師が赤い衣を身にまとっていたことに由来しているのですが、このほかにも、赤い色には魔除けの効果があると古くから信じられていたことや、疱瘡(天然痘)を引き起こす疱瘡神が赤い色を嫌うとしんじられていたことからもきているのではないかと考えられています。こうしたことから、疱瘡除け、魔除けの力がだるまにはあると信じられ、玩具として子供に与えられていたのです。近年では様々な色のだるまが作られています。

不要になっただるまは?

白目のだるまだるまは、疱瘡除けや厄除けとして、子供に与えられていた玩具でしたが、現在では縁起物として、祈願をするものとして様々なジャンルで重宝されています。ずっと飾っておく人もいるでしょうが、お役目御免のだるまも数多くあるでしょう。選挙で必勝祈願を行っただるま、進学するにあたり、合格祈願をしただるま。目を入れることができたものや、祈願叶わず片目のままのだるまもいるかもしれませんね。縁起ものですので、使わなくなったからといってゴミに出すのも気が引けます。

役目の終わっただるまは、神社や寺院でお焚き上げしてくれます。正月の松の内が明ける頃、正月飾りや前の年まで使っていたお守りやお札などをお焚きあげしますが、その時にだるまも一緒にお焚き上げしてもらいましょう。もちろん感謝の気持ちを込めて、これまでありがとうと言う気持ちでお焚きあげしてもらいます。

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