エコロジーを考えよう・省エネ塾

未利用エネルギー

今まで利用されていなかったけれど、有効利用できるエネルギーとして話題の未利用エネルギー。新エネルギーの中に分類されます。8年前の1998年当時の日本での未利用エネルギー導入量は4.1万キロリットルとなっていて、政府も新エネルギーの開発に際して、未利用エネルギーの活用を重視しています。小さなエネルギーでも無駄なく使っていくことが省エネへの第一歩だと思います。

未利用エネルギーって?

外気との温度差がある河川や下水、工場から出る排熱などの有効に活用できるにもかかわらず、これまで使われてこなかったエネルギーのことを未利用エネルギーと言います。未利用エネルギーの中でも、さらに河川水、海水、下水道などで生じる温度差を利用する「温度差エネルギー」と、ビルや地下鉄、地下街、送電線、事業場排熱などを利用する「排熱エネルギー」に分けられます。

未利用エネルギーの特徴

・広く、浅く分布している

・時間的な変動が大きい

・需要地との距離が離れている

これらは特徴でもあり、デメリットでもあると思います。問題を解決して、円滑に未利用エネルギーを活用するため、回収、貯蔵、輸送面での技術開発や社会的な資本投資などの行政対応が求められています。

未利用エネルギーの歴史

未利用エネルギーの主な導入促進策

平成5年 環境調和型エネルギーコミュニティ形成促進事業
平成9年 新エネルギー事業者支援事業。平成9~10年の実績は、新エネルギーの全体利用27件のうち、温度差エネルギーと廃棄物利用が5件でした。
平成9年 地域新エネルギー導入促進事業。

未利用エネルギーの活用ポイント

温度レベルと用途

高温排熱はヒートポンプか発電機などの駆動力、中温排熱は直接暖房や給湯熱源、低温排熱はヒートポンプのヒートソース・ヒートシンクとして、それぞれ温度レベルに合わせて正しく使い分けます。

ローカル熱収支の徹底

地区の排熱・自然エネルギーの特性を生かして、できるだけその中で熱収支を取るようにします。

季節間の蓄熱

夏の排熱は近くに住宅地などの冬期に熱需要が多い所がある場合は、深い地下などを利用した大規模蓄熱で、季節間の蓄熱を行ないます。

自然環境の活用

近くに川や海水などの大きな水資源があるときは、これをヒートシンクをするといいでしょう。

広域分配

冬場や季節間蓄熱の余分な排熱は、排熱幹線に放出して、郊外などの熱が不足している地域に分配します。

排熱幹線

共同溝・下水道・工業用水道・ケーブル洞道・地下鉄網などを通して放熱・採熱を行なってヒートバランスを保持させるために、高温・中低温の排熱幹線を作ります。

拡張未利用エネルギー幹線

排熱幹線以外に河川や地下鉄・ケーブル洞道などを有効に活用して拡張型の未利用エネルギー幹線を作ります。

ヒートポンプについて

未利用エネルギーの活用には、エネルギーを取り出す際、主にヒートポンプが使われていて、技術的にも確立されています。ヒートポンプとは、熱(ヒート)を汲み上げるポンプです。水を汲み上げる電動の水ポンプとヒートポンプの原理を比べると、水ポンプは電気エネルギー等を使って、低い場所にある水を汲み上げ高い位置に移動させます。一方、ヒートポンプは低い温度の水や空気から熱を汲み上げ、より高い温度の水や空気に熱を与えます。ヒートポンプでは、使用した電力が熱に変換されるだけではなく、外部の空気や水から熱を汲み上げるので、電力1単位を使用すると通常3~5単位の熱エネルギーを取り出し利用することができます。

未利用エネルギーの現状と課題

未利用エネルギーは街のさまざまな場所に存在していますが、どれもエネルギー密度や量は、とても小規模で不安定です。しかも、未利用エネルギーの利用コストも高いというのが現状ですね。そんな中、北海道、東北地方、日本海沿岸部などの降雪量の多い地域などでは近年、地方自治体が中心となって、雪氷を必要な時期まで保存し、農産物の保冷や公共施設の冷房用の冷熱源として利用する取り組みが活発化しつつあります。雪氷熱のエネルギー利用については、新エネ法上の新エネルギーとして明確に位置づけられています。助成金や技術開発なども含めて行政と地域が協力し合って、未利用エネルギー活用の重要性について真剣に考えていかなければなりません。

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