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オーストラリアで食べられている昆虫

オーストラリアで食べられている昆虫

オーストラリアは大陸の四方ともが海に面した、他の大陸とは独立した生態系を持つ国として知られています。また、オーストラリアの先住民族であるアボリジニは、原始的な生活様式を現在も続けていることが知られています。オーストラリアにおける昆虫食は、彼らアボリジニにとっては日々の糧として行われているのです。


  

オーストラリアの昆虫食と食文化

オーストラリアには二つの文化があります。一つはイギリス系移民者を中心とする文化、もう一つはアボリジニの文化です。

イギリス系移民者による文化は、現代水準の文化ですがアボリジニの文化は、長らく伝えられてきた原始的な狩猟生活を前提とする文化となっています。

移民者の急増により、アボリジニの文化も近代化や保護政策などで伝統が遺失するなどの境遇にありますが、大半のアボリジニは伝統的な生活を送っているようです。

アボリジニの食文化

アボリジニは、昆虫食を含んだ伝統的な狩猟・採集による食文化を持っています。オーストラリアはリゾート地としてのイメージが強くあるものの、山もあれば砂漠もある地理状況なのでタンパク源となる動物が近場に生息していない地域に住んでいるアボリジニも居るのです。その為、昆虫食は信頼性の高いたんぱく質の補給源ともなっているのです。

アボリジニの食生活

アボリジニが行う狩猟・採集は、長い年月をかけて洗練されたものとなっています。一日に食べる分だけを狩猟・採取するスタイルは生態系への影響も少ないものなのです。

アボリジニは伝統的な投槍やブーメランや猟銃を使った狩猟を行い、カンガルーなどを捕らえるのです。他にも、亀やウサギやワニなどの動物を捕らえて食用にしているのです。

アボリジニにとって昆虫食はもともとタンパク源を確保する目的で行われてきましたが、近代化によって自動車を使った長距離移動を伴う狩猟に変わってきたこともあって、昆虫食はおやつ代わりに行うものに変化しつつあるようです。

アボリジニにとっての昆虫食

アボリジニの食生活において、最大の問題とされて居るのは栄養バランスの偏りです。アボリジニは自生している野菜類も食べているのですが、狩猟・採集生活をしている関係でどうしても長期保存の利く脂肪分を蓄積しやすい身体になってしまうのです。

昆虫食は、食植性の昆虫を食べることが多いので植物や野菜の持つ栄養分を間接的に補給することが出来るというメリットがあります。しかし、アボリジニ文化にも押し寄せてきた近代化の波は食生活にも大きな影響を与えていることがわかっています。

西洋的なジャンクフードがアボリジニの居住区でも販売されるようになったことで、更に栄養バランスが偏ってきていることがアボリジニ社会と彼らを取り巻く人々の最大の懸念となっているのです。

 

オーストラリアで食べられている昆虫

オーストラリアでの昆虫食は、アボリジニを中心に行われていますが近年ではアボリジニの食文化を「ブッシュフード」として広める動きが興っています。

芋虫

アボリジニが常食することで知られているウィッチェティ・グラブは、ヤガやコウモリガの幼虫です。真っ白く段々の付いたウィッチェティ・グラブは、アボリジニの食文化を代表する昆虫として広く紹介されています。

ウィッチェティ・グラブは良くも悪くもアボリジニの食文化の象徴となってしまったため、アボリジニへの理解を妨げる原因ともなっています。

芋虫の調理法

ウィッチェティ・グラブは、潅木の根の辺りに生息していてアボリジニは上手にウィッチェティ・グラブが沢山居る木を見つけて掘り出してしまいます。

アボリジニは、ウィッチェティ・グラブを生食か焚き火の灰の中で蒸し焼きにして食べます。苦いところがあったら吐き出しているようです。ウィッチェティ・グラブの主食は植物なので野菜不足になりがちなアボリジニにとっては絶好の植物性栄養源ともなっているのです。

オーストラリアに生息するアリの中にはミツツボアリと呼ばれる、花の蜜を体内に蓄える蟻が生息しています。アボリジニにとって、このミツツボアリは素晴らしいおやつとなる昆虫なのです。蓄えた蜜の甘さと蟻特有の酸味がミックスされて、体の疲れを吹き飛ばしてくれるのです。

蟻の調理法

アボリジニはミツツボアリをそのまま生で食べます。食べるのは蜜を蓄えている部分で、歯で噛み千切るようにします。アボリジニの食文化において、調理という概念は蒸し焼きや丸焼きなどに限られますが、それは獲物が持っている栄養分を無駄なく摂取するための知恵でもあるのです。


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