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蜂

蜂と蜂の子

蜂は、イナゴに並んで人類の食文化に大きな影響を与えた生物と言えます。中でも蜂蜜は世界中で愛用されている食材といえます。しかし、「蜂の一刺し」と言うように蜂には強烈な威力を秘めた毒針が備わっています。

この針を恐れた人類は、やがて蜂の駆除方法や飼育方法を編み出し、蜂と共存する方法を身に付けていきます。その中で生まれたのが、蜂を食材とする昆虫食なのです。


  

蜂を知る!

蜂は生物学上、「節足動物門・昆虫網・ハチ目」に属する昆虫です。このハチ目には蟻も属しており、蜂と蟻は近縁種であることはなかなか知られていません。

蜂は肉食と草食の二種類の食性で分類することが出来ます。中には木を食べて成長するキバチや他の昆虫の体内に卵を植え付けて、卵を植えつけられた昆虫の内部組織を餌にするジガバチなどの寄生バチといった特徴的な食性を示す蜂も存在しています。

蜂の生態を知る!

蜂は、自分の分泌物や土を使って独自の形状を持つ巣を築き産卵能力を持つ女王蜂を中心とした社会を構築する特性を持っていることで知られています。

蜂の巣は六角形を隙間なく並べた「ハニカム構造」と呼ばれる丈夫な構造で作られています。働き蜂はこの丈夫な巣の中で、女王蜂や幼虫を育てているのです。蜂の社会は、ほとんどがメス蜂によって構成されています。

女王蜂が産卵能力を失うと、自動的に世代交代になります。働き蜂は、ダンスと誘引物質のフェロモンを使って意思疎通を行うことができ、食料の効率的な回収に役立てられています。

蜂の驚くべき生態

蜂の中でも獰猛で知られるスズメバチは、他の蜂の巣に攻撃を仕掛けるという性質を持っていることで知られています。これは、他の巣から幼虫や蛹などを回収して自分の巣の幼虫や女王蜂を育成するための餌を賄うためなのです。

スズメバチに標的として度々狙われるのがミツバチですが、スズメバチとミツバチの戦力差は約1:1000と言われています。なので、ミツバチはスズメバチとどうしても戦わなければならない時は「布団蒸し」戦法でスズメバチを一斉に取り囲み、スズメバチの体温を高めて倒してしまうのです。

 

食材としての蜂

蜂を食料資源として考えた場合、どこまでが食べられるのでしょうか。まず、養蜂が可能なミツバチの場合は蜂蜜が挙げられます。そして、ミツバチだけが生成するローヤルゼリーも見逃せません。また、ミツバチが巣の密閉性を高めるために収集するプロポリスも健康食品として注目されています。

しかし、ミツバチの場合成虫や幼虫を食用にしてしまうと蜂蜜の生産効率に影響が出てしまうため、食用には向いているとはいえません。日本伝統の昆虫食としての蜂の子は、主にスズメバチ科のものが使用されていることが多いようです。

蜂の食べ方とは!?

では、蜂はどのようにして食べられているのでしょうか? まず、巣を火薬などで燻し蜂が動かなくなったのを確認して、巣ごと回収します。蜂の巣の捕獲は主に、繁殖が盛んになる秋口に行われます。

巣を解体して、成虫と蛹と幼虫に分別していきます。成虫は油で揚げたり佃煮にしたりして食べるのが一般的です。幼虫と蛹は蜂の子として砂糖と醤油で煮付けて甘露煮にして食べたり、塩焼きにしてご飯に混ぜて食べたりと地域ごとの食べ方があるのです。

蜂の巣を獲りたい人は…?

このサイトを読んでいる人の中には「自分で蜂を獲って蜂の子を味わいたい!」という人も居るかもしれません。または、「家の近くに蜂が巣を作ったので、役所に連絡して駆除してもらったものを食べてみたい」という人も中にはいるかもしれません。

蜂は煙で燻すと気絶してしまう習性があります。これを利用して巣ごと捕獲するのですが、現在では薬剤散布による駆除が一般的になっているので、行政で駆除した蜂の巣は食用には適していません。

また、蜂は巣に近づくものを攻撃する習性があるため慣れている人でも蜂の巣の捕獲には多大な危険が付きまといます。一度でも蜂に刺されたことがある人は「アナフィラキシー・ショック」という一種のアレルギー症状によって命を落とす確率が高まります。

どうしても蜂や蜂の子を食べてみたいと言う人は、通信販売やスーパーなどを利用して蜂の子の缶詰を購入してみてはいかがでしょうか。


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