カミキリムシは、生物学的には「節足動物門・昆虫網・コウチュウ目・カブトムシ亜目・ハムシ上科・カミキリムシ科」に属する甲虫です。カブトムシ亜目に属してはいますが、カブトムシはコガネムシ科に属しているので近縁種というわけではありません。
カミキリムシの最大の特徴は甲虫の中でも飛びぬけた長さを持つ触角です。この触覚は時として通常の体長の三倍という長さに達する種類が居るほどに長く、周囲の状況を把握するためのセンサーとして機能しているのです。
カミキリムシの噛み切る力
カミキリムシの名の通り、カミキリムシは顎の力が甲虫類の中でも飛びぬけて発達しています。カミキリムシの顎の力はとても強く、指に噛みつかれると血が出るほどなのです。この顎の力によって、甲虫を代表するカブトムシやクワガタムシ以上に獰猛な食植生を発揮しています。
カミキリムシは主に木の皮や植物や果実を餌としていて、産卵の際には木の幹を噛み砕いて穴を開けて行うものもいます。木の幹で孵化した幼虫は木の幹を食い破りながら成長を続け、成虫になって初めて外界に現れるのです。
カミキリムシの能力
カミキリムシは日本に生息しているだけでも800種ほどが確認されている甲虫です。しかし、草食なので鳥や肉食動物には餌として捕食される危険を常にはらんでいます。
その為、一部のカミキリムシは昆虫独特の「擬態能力」を備えているものも居ます。例えばトラカミキリ類は、赤・黄・黒が入り混じった虎を連想させる体色を持ち、アシナガバチに擬態することで身を守っているのです。
また、木や葉っぱの陰に隠れやすいように体色を緑色や茶色にしているカミキリムシも多く存在している一方で青や紫といった目立ちやすい体色を取るカミキリムシも居ます。
害虫としてのカミキリムシ
カミキリムシは、植物や木を育て扱う人たちにとって害虫として扱われています。それは、人間にとって有益な樹木や植物を食べる種類のカミキリムシが居るからなのです。例えば、ゴマダラカミキリはミカンや栗の木などの幹や葉や果実を食い荒らしてしまいます。
カミキリムシによって被る被害は、放って置けばどんどんと大きくなるため農業や林業に従事する人たちにとってカミキリムシは天敵と言える存在なのです。
また、近年被害が増えていることで知られるマツクイムシは、一部のカミキリムシによって媒介されることがわかっておりカミキリムシ被害は年々深刻なものとなってきています。