ミミズ
ミミズは、環形生物に分類される生物の一種です。虫の一種として扱われていますが、生物学的には虫ではない生き物なのです。
ミミズは、土の下に生息し土中の微生物などを餌にして生活する生物で、土壌改善に効果をもたらす有益な生物として扱われています。そんなミミズもまた、昆虫食の対象となっているのです。
ミミズを知る
ミミズは、生物学上「環形動物門貧毛網」に属しています。一般的な昆虫は「節足動物門」に属しているので、ミミズと昆虫はまったく別種の生物になっています。
ミミズの名前の語源は「目見ず」と言われていて、外観上から目に当たる器官が視認できないことから来ています。しかし、実際は小さな目が幾つも存在しているのです。
ミミズの生態
ミミズは一生のほとんどを地中で過ごします。ミミズの柔らかい体は体液に圧力をかけることによって硬化し、掘削用ドリルのような働きを示します。
ミミズは土の中に含まれている微生物などを餌にしていて、土ごと餌を取り込んで土ごと排泄します。これらの働きによって、ミミズは地中を耕しよい土を作る益虫と言われているのです。
ミミズを使って堆肥を作る
環境問題とあいまって、注目されるようになったのがコンポストです。生ゴミを微生物の働きで分解させて堆肥を作るコンポストは、園芸だけでなくゴミの減少にも効果を発揮します。
コンポストは確かに便利なのですが、生ゴミの分解に時間が掛かるのが弱点と言えます。その弱点を補い、より質の高い堆肥を作り出すのがミミズコンポストです。
ミミズコンポストは、ミミズの食性を利用して植物性の生ゴミを堆肥に変換させる仕組みになっています。しかし、コンポストとして機能させるためにはまとまった量のミミズが必要なこと、ミミズの越冬などに気を配ること、他の虫が入り込んだら除去することなどの難点があります。
ミミズの食用にまつわる話
都市伝説には、「大手ハンバーガーチェーンは、ハンバーガーに牛肉ではなく食用ミミズの肉を使っている」と言うものがあります。この都市伝説が語られるようになってから20年近くが経過していますが、未だに脈々と語り継がれています。
また、食用のミミズは牛肉よりも美味しいとも言われ、「ハンバーガーのようなファストフードに使ったらコストが高くついて損する」とも言われています。では、これらの話はどこまでが本当なのでしょうか?
食用ミミズはハンバーガーには使えない
食品産業において重要視されているのは、「食品の安全性」「安定した供給源」「コスト(原価)とベネフィット(利益)」です。利益が出せないほど原価が高い食材を低価格で供給すると、赤字が山積する結果を招きます。これはハンバーガーにおいても当然のことといえます。
ハンバーガーの場合、肉は挽き肉に加工してしまうので商用ルートに乗らない牛肉を使用することが出来るので、コストは相当低く抑えることが出来ます。肉牛は世界中で牧場飼育されているので、安全性を高めることも安定した供給量を得ることも可能です。
しかし、食用ミミズの場合そう簡単にはいきません。釣り餌用などに一部養殖が行われているものの、「食用ミミズの市場」というものが存在しないのでハンバーガー一個を作るだけでも相当のコストが掛かってしまうのです。
つまり、「食用ミミズをハンバーガーに使うならば肉牛牧場と同等かそれ以上の設備で大量養殖してコストを下げなければならない」のです。
ミミズは美味しいのか
では、ミミズ自体の味とは食用に適するものなのでしょうか。これは「適する」と言っても過言ではないようです。世界中でミミズ食が行われており、日本でもミミズ料理専門店が存在していたと言われているほど日常に定着していたようです。
また、乾燥させたミミズは漢方薬では「地竜」と呼ばれ、解熱剤としても使用されています。これらのことから、ミミズは食用としても充分な味を持っていることが窺えます。また、食用ミミズの中には「食べた後、三日間は口に後味が残る」種類があるといわれています。
ミミズの調理法
では、ミミズを食べる上でどのような点に注意していけばよいのでしょうか?
ミミズの下ごしらえ
ミミズは前述の通り、土ごと餌を摂取しているので消化器官の中には土が大量に入っています。これを取り除かないと土の匂いや味で不味くなってしまうのです。
調理の前には、ミミズの身体を頭から尾に向かってしごいて土を出させるか、縦に割って土を出すかして水にさらしておきましょう。
ミミズの調理
食用ミミズは、癖がなければ風味もほとんど無いのでニンニクやショウガで風味付けと匂い消しをする必要があります。
サラダなどに盛り付ける場合は、ショウガを摩り下ろしたものに漬け込んで匂いをとり、お湯でさっと茹で上げて使います。ニンニクと一緒に炒めるとさまざまな料理に使えますが、ニンニクの匂いが気になる人はネギなどで代用しても構いません。
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