十七条憲法は、十七条の条約などを箇条書きした文章で、「夏四月 丙寅朔戊辰 皇太子親肇作憲法十七條」と書かれています。この皇太子とは、聖徳太子のことを指します。この十七条憲法は現在の憲法と違い、内容は官人の心得になっています。最初の第一条と、最期の第十七条の内容は、「和」がなによりも大事だということを重ねて注意しています。「争うことをせず、とことん話し合っていけば物事はうまく運ぶ」ということです。当時の日本が、どれだけ統一性がなかったのかが伺える一文です。十七条憲法を現代の言葉で、一言でまとめると以下のようになります。
第一条
・人と争わずに和を大切にしなさい
第二条
・三宝を深く尊敬し、尊び、礼をつくしなさい(三宝:釈迦、その教え、僧)
第三条
・天皇の命令は反発せずにかしこまって聞きなさい
第四条
・役人達はつねに礼儀ただしくありなさい
第五条
・道にはずれた心を捨てて、公平な態度で裁きを行いなさい
第六条
・悪い事はこらしめ、良いことはどんどんしなさい
第七条
・仕事はその役目に合った人にさせなさい
第八条
・役人はサボることなく早朝から夜遅くまで一生懸命働きなさい
第九条
・お互いを疑うことなく信じ合いなさい
第十条
・他人と意見が異なっても腹を立てないようにしなさい
第十一条
・優れた働きや成果、または過ちを明確にして、必ず賞罰を与えなさい
第十二条
・役人は勝手に民衆から税をとってはいけない
第十三条
・役人は自分だけではなく、他の役人の仕事も知っておきなさい
第十四条
・役人は嫉妬の心をお互いにもってはいけない
第十五条
・国のことを大事に思い、私利私欲に走ってはいけない
第十六条
・民衆を使うときは、その時期を見計らって使いなさい
第十七条
・大事なことは一人で決めずに、必ず皆と相談しなさい