山菜好きな人にとって、山菜採りの季節はいてもたってもいられなくなる時期でしょう。食べることよりも採る楽しみに徹して、家族にばかり食べさせて、自分はあまり食べない人もいるようですね。
クサギは臭木とも書き、クマツヅラ科の落葉小高木です。葉が異様な臭いを発するために、この名前がつきました。若葉を茹でておひたしや天ぷらなどにします。熱を通すと不思議なくらい、臭いがしなくなります。果実は染料に使われたりと、クサギには無駄なところがありません。
クコはナス科の落葉低木で、食用の他にも薬用でも利用されています。丈夫で、一度定着すると、どんどん増え続け、数年後には群落となることも珍しくありません。食べるのは若芽、葉、果実になります。果実は薬膳などでも使われるので、知っている人も多いでしょう。若葉を軽く塩湯でして冷水にとり、刻んでご飯に混ぜると彩りもきれいなクコ飯になります。
コゴミはイワデンダ科の多年生シダの一種です。成長するとクサソテツと呼ばれます。群生しているために、一度に多くの収穫ができる山菜です。先端が渦巻状に丸まった幼葉をおひたしやサラダ、胡麻和え、天ぷらなどにします。沢山たべるとお腹が緩くなるので注意しましょう。
コシアブラはウコギ科の落葉高木で、春先に伸びる独特の香りを持つ新芽を食用にします。苦味が強いため、食べやすい天ぷらが向いていますが、おひたしや和え物でも食べられています。塩漬けにすると保存食としても使えます。
シャクはセリ科の多年草です。葉の形がニンジンの葉に似ていることから、ニンジンバとも呼ばれています。食用とするのは若葉で、生のままでも食べられますし、天ぷらや茹でて様々な和え物にしたり、たまごとじにしたりします。
サルナシは、マタタビ科の落葉つる性の植物で、果実はコクワと呼ばれます。食べるのはこの果実で、生で食べてもおいしいですし、ジャムに加工したり、果実酒にしたりします。
スベリヒユ科の多年草です。根以外は全て食べられます。日当たりのよいところであればどこにでも自生しますが、山菜として扱われています。山形県では『ひょう』と呼ばれて茹でて芥子醤油で食べます。一度茹でてから天日干しにすると茎だけになって干しゼンマイのようになり、保存食になります。茹でると粘り気が出てきます。
ゼンマイ科の多年草で、春先に、雪が消えると共に綿毛で覆われた新芽が出てきます。葉は、栄養葉と胞子葉に別れますが、食用とされるのはもちろん栄養葉です。アクが強いため、アク抜きをしてから調理します。おひたし、煮物。和え物にします。一度茹でたゼンマイを、天日で揉みながら干すと、保存食にもなります。
つくしはトクサ科の多年草で、スギナの胞子茎です。河川敷などでも見受けられますが、清潔なものを採りましょう。成長したスギナは薬効があるので様々なことに使われています。つくしは10cmくらいのものを使います。つくしのはかまを取り除き、きれいに水洗いしてから茎だけを茹でて水にさらします。それから様々なものに調理していくのですが、煮物、酢の物、汁物の実、佃煮などで食べ、独特のほろ苦さがたまらないという人も多いです。
ツリガネニンジンは、キキョウ科の多年草です。薄紫の、釣鐘状になった花をつけます。若苗は茹でてから調理します。細かく刻んで納豆と和えたり、おひたしや油炒め、おむれつの具としても使えます。太い茎の場合は、刻んでから茹でて、水に晒した後、きんぴらにしたり、和え物、粕漬けなどにします。