ホーム リンク サイトマップ
わさび田

栽培される山菜

これまで自然の中で自生してくるのが山菜でした。大地の恵みをたっぷりと受け、独特の風味で私たちを楽しませてくれます。ですが、いまや山菜も栽培される時代のようです。乱獲による数の減少などもその原因なのでしょうか。以前、栽培のたらの芽を食べたことがありますが、何か一味足りないような、味気ない感じがしてガッカリしたのを覚えています。自生の山菜の味を知っていると、栽培の山菜の味だとちょっと物足りないですね。

どんな山菜が栽培されている?

ウド実は、以前からセリ、三つ葉、ウドなどは栽培されてきました。軟白化することにより、自生のものと比べてアクが少ないため、食べやすくなっています。

ここ最近、山菜ブームとも言われる人気の増加に伴い、これまで栽培されていなかったものまで栽培されるようになりました。これまでセリや三つ葉、ウドなどしか栽培されていなかった理由として、他の山菜は、収穫できるまで、長い期間がかかるため、経済的に割りに合わないと言われていたからです。

モミジガサやヨブスマソウなどは3年、行者ニンニクは5年、ゼンマイやコゴミは10年もかかると言われています。こんなに手間と時間のかかる山菜も、栽培の対象になってきています。これまでは、山の中や浜辺まで行かなければ手に入らなかった行者ニンニクやウド、ハマボウフウなどもスーパーで販売され、簡単に手に入るようになりました。

自生の山菜との違い

タラノキたらの芽の栽培は、秋に切り取ったタラノキを20cm程に切って土に挿し、加温して行う促成栽培が行われています。自然の中でお日様いっぱいに浴びて自生しているたらの芽に比べ、少し水っぽく、独特の苦味も少なく、風味は自生のものには勝てません。周年栽培が行われているので、山菜としての季節感も失われてしまいます。

健康志向、自然志向から山菜が人気なのは分かりますが、山菜本来の風味を損ない、季節も関係なく食べられるようになると、なんだかありがたみがなくなってしまうような気がしませんか?

山菜の生産量

ワラビスーパーで販売されている山菜が、全て栽培のもとは限りません。仕事として山菜を採りに山に入り、販売している人もいるのです。市場などで販売されている山菜もそうですね。では、栽培されているものも含め、山菜の生産量はどのくらいあるのでしょうか。一つ一つ調べていくとキリがありませんが、全国各地で、様々な山菜が生産されています。

種類別の生産量

水ワサビを例に挙げると、全国で3千トンある生産量のうち、長野県と静岡県が全体の90%以上を占めています。割合は、長野県の方が若干多くなっています。畑ワサビは岩手県が550トンを越える生産量と最も多く、次いで静岡、島根、大分県が100トンを越える生産量になっています。

ワラビは約440トンの山形に続き、秋田、北海道、長野、新潟での生産量が多くなっています。ゼンマイはと言うと、高地、徳島、新潟の順番になります。何よりも山菜の生産量として一番多いのが竹の子で、二番目が栗です。三番目は山菜としておなじみのフキなのですが、愛知県が8000トン以上と、最も多い生産量を誇ります。ウドも比較的多く生産されていて、全国で4千トン生産されているうちの2/3が群馬と栃木で生産されています。

大人気の山菜に、たらの芽が挙げられますが、全国の生産量は400トンに満たないくらいです。全国的に多いところとしても、群馬県、山形県の100トン弱です。これからどんどん生産量が増えていくと思われますが、自生のたらの芽が増えるのでしたら万々歳ですが、栽培の風味の少ない水っぽいたらの芽が増えたとして、そのうち、そういう味しか知らない人も増えていくでしょう。そうだとしたら、ちょっと悲しいことだなと思います。

ページの先頭へ戻る
山菜採りに出かけよう!