山菜と食文化は大きな関わりがあると言えます。縄文時代の昔から食べられ、飢饉の時には人々を飢えから救った山菜。先人の知恵が受け継がれ、どんなものが食べられるのかが調べられ、現在では昔から比べて、その数は遥かに多くなっています。
山菜は季節を感じさせてくれるものですが、中にはスーパーに1年中並んでいる山菜もあります。ハウス栽培できる山菜で、三つ葉などがそうです。お正月になるとお雑煮などに使うため、時期もはずれているのもあるのか、とんでもない高値がついていたりします。
今では七草粥を食べる人も少なくなってきましたが、春の七草と呼ばれるもので、七草の内容は地方によって多少の違いがあるようですが、多くは、セリ・ナズナ・スズナ・スズシロ・仏の座・ごぎょう・ハコベラが七草と呼ばれています。1月7日に無病息災を願い、これらを使って七草粥を作ります。最近では。セットになってスーパーで販売されているようです。
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1600年代に書かれたと言われている『清良記』は、元々伊勢宇和島の土豪・土居清良の生涯を描いた軍記物ですが、領主の勧農策も書かれていて、我が国最古の農書とも言われています。この中に、1年を通してみた食用植物が掲載されていますので紹介しましょう。
現在とは気候も違いますし、地域によっては季節の訪れもずれますので、全国にあてはまるものではありませんが、参考までに……。山菜だけではなく、栽培している野菜も含まれているようです。
1月 | 2月 | 3月 | |||
・萱草 ・蕪菜 ・大根 ・なずな ・いびら ・ゆり ・セリ ・野大根 ・ふきのとう ・たびら子 ・チサ ・仏の座 ・蓮根 ・防風 |
・葛根 ・三つ葉セリ ・芥子の葉 ・千根 ・蒜 ・蕨の根 ・つは ・嫁がはぎ ・ほど ・たんぽぽ ・野老 ・子持菜 ・高菜まめ葉 |
・つくし ・セリ ・おばこ ・防風 ・なずな ・藤の葉 ・はきぎ ・雉の尾 ・わらびな ・嫁がはぎ ・榎の葉 ・仏の座 ・すぎな ・野蒜 ・蒜 ・子持葉 ・田にし ・たんぽぽ |
・かづらな ・たびら子 ・ヨモギ菜 ・仙大黄 ・ゼンマイ ・野老 ・葛根 ・ほど ・蓮根 ・椎茸 ・山芋 ・ゆり ・芥子の葉 ・ウド ・芋の子 ・三月大根 ・葛の葉 |
・みょうが ・ヨモギ菜 ・ウド ・蒜 ・野蒜 ・はらび菜 ・嫁がはぎ ・セリ ・紫竹の子 ・うはぎな ・スギナ ・あざみ ・つは ・にれの葉 ・むくげの葉 |
・漆の葉 ・藤の葉 ・芥子の葉 ・榎の葉 ・うこぎ ・のみの実 ・さんきらい ・いちご ・仙台黄 ・くこ ・おばこ ・雉の尾 ・いたどり ・たんぽぽ |
4月 | 5月 | 6月 | |||
・セリ ・茶 ・つは ・くこ ・うこぎ ・竹の子 ・ひゆ ・野そばの葉 ・あかざ ・ひともじ ・まめの葉 ・榎の葉 ・梅実 ・あんず ・仙台黄 |
・くちなし ・おばこ ・いちご ・フキ ・槿の葉 ・そぎの葉 ・しその葉 ・のみの実 ・嫁がはぎ ・はなだの葉 ・さんぎらい ・ヨモギ菜 ・いもづる ・みょうが |
・ひゆ ・すべりひゆ ・ふろうの葉 ・セリ ・夕顔 ・芋の葉 ・フキ ・あかざ ・ゆり ・夏菜 ・野そばの葉 |
・晩梅実 ・ひともじ ・まめの葉 ・いもづる ・忍びくさ ・いちご ・かまつか ・節くづれ ・くこ ・おばこ |
・韮 ・ひともじ ・豆葉 ・ゆり ・芋 ・山桃 ・すもも ・みょうが ・夕顔 |
7月 | 8月 | 9月 | |||
・小きび ・むかご ・芋 ・しょうが ・韮 ・ユリの実 ・夕顔 ・ひゆ ・みょうがの子 ・蕨の根 |
・かやの実 ・松茸 ・みょうがの子 ・くるみ ・夕顔 ・まめ ・しょうが ・椎茸 ・夏菜 |
・栗実 ・韮 ・銀杏 ・柿実 ・むかご ・梨実 ・山芋実 ・稗 ・粟 |
・ゆり ・あざみ ・稗 ・粟 ・梨子 ・山芋 ・ほど ・柿実 ・栗実 ・じれん芋 ・あかざの実 ・野老 ・椎子 ・樫子 |
・あけび ・くわい ・とち実 ・柚 ・ひともじ ・はじじ ・ぶどう ・ひし ・防ぶら ・たで穂 ・かやの実 ・掃草子 ・なつめ |
10月 | 11月 | 12月 | |||
・とちの実 ・山芋 ・ほど ・くわい ・あざみ ・ねぎ |
・椎子 ・樫子 ・晩梨 ・ひし ・野老 ・くはつろ子 |
・山芋 ・ゆり ・ほど ・ひともじ ・樫の実 ・はこべ |
・なずな ・セリ ・野老 ・蕨の根 ・葛根 ・椎子 |
・ゆり ・はこべ ・ふきのとう ・なずな ・芥子の葉 ・蕨の根 |
・野老 ・山芋 ・ほど ・セリ ・葛根 ・蕨の根 |