山菜によく似ていて、間違えやすいものがあります。中には食べると命が危険に晒されるものがありますので、山菜採りに行く前に、しっかりと覚えておかなければいけません。山菜採りは、気軽に行けるようで、実はそうではないのです。自分が間違って採ってきたもので、家族の体に異変が起こっては大変です。中には命の危険にさらされるものもありますので、注意が必要です。
日本に30種類以上あると言われているトリカブトですが、これはニリンソウやモミジガサによく似ていて、間違われやすいのです。キンポウゲ科の多年草で、観賞用にも栽培されていますが、山野に自生しています。
舞楽に使う鳥兜に花が似ているため、この名前がついています。毒は特に根茎に多く含まれていて、体内に入ると、手足の痙攣、しびれ、呼吸麻痺に陥ります。この呼吸麻痺で命が危なくなります。
スズランは花をつけていない状態だと、行者ニンニクにとてもよく似ています。ユリ科の多年草で、東北、北海道に多く自生しています。緑色の葉は柔らかく、春から初夏にかけて花をつけます。
毒は特に花や根に多く含みます。体内に入った場合、嘔吐、頭痛、めまい、心不全、血圧低下、心臓麻痺などを起こし、重症になると命を落とします。スズランを生けた水を誤飲して命を落とした例もあります。
ドクセリはトリカブト、ドクウツギ(間違えやすい山菜がないので割愛)と並んで、日本三大有毒物植物とされています。セリ科の多年草で、葉の状態や生育する環境もセリとよく似ているため、ドクセリの若葉をセリと間違って食べる人があとを絶ちません。
葉がセリ独特の香りがしない、セリにはない根茎があることなどで、間違いを回避することができます。ドクセリ全体に毒があり、皮膚からも吸収されやすいという特徴があります。体内に入ると、痙攣、呼吸困難、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、意識障害などを起こし、命の危険が非常に高いものになります。症状が出たら、早急に医療措置を行わなければいけません。根茎をワサビと間違えて食べ、命を落とした例も報告されています。
ハシリドコロはナス科の多年草で、本州、四国、九州に分布しています。食べると錯乱状態になって走り回ること、根茎がトコロ(野老)に似ているところから、ハシリドコロという名前がついています。
根茎と根に多く毒を含み、体内に入ると、嘔吐や異常なほどの瞳孔の開き、異常興奮を引き起こします。最悪命を落とすこともあります。早春に新芽が顔を出すのですが、フキノトウと間違いやすく、注意が必要です。ただし、この毒となる成分、用法と容量を守ると薬の成分にもなり、胃腸薬などの成分として使われています。
うるしは、うるし科の落葉高木です。タラノキと間違われやすいです。うるしを採取するために、古くから栽培されてきました。人によってはうるしの木の近くを通っただけでアレルギー反応を起こし、激しいかぶれが起こります。
うるしの木が燃えた場合、その煙を吸うと、気管支や灰の内部がかぶれてしまい、呼吸困難を引き起こします。山菜採りでは、たらの芽が目的でしょうから、芽のついていないうるしの木には、近づかないようにしなければいけません。
バケイソウだけではなく、オオバイケイソウ、コバケイソウにも中毒症状を起こす要因があります。ユリ科の多年草で、梅の花に似ているのでバイ、ケイランという蘭の葉に似ているのでケイ、それらをくっつけてバケイソウと名づけられました。
オオバギボウシやコバノギボウシ、行者ニンニクと間違われやすく、体内に入ると嘔吐、手足のしびれ、痙攣などが起こります。バケイソウの根は、殺虫剤にも使われていたほどです。