胡蝶蘭は、表面の水気が感じられなくなったときに水を与えます。もともと乾燥に強い観葉植物なので、水を与えすぎると、根腐れを起こしてしまう原因にもなります。夏場は、かなり水分を吸うことから、葉水などを与えるとよいでしょう。
胡蝶蘭は、温度管理に敏感な植物です。人間と感覚的には同じだと思ったほうが育てやすいかもしれません。寒い時期は、あれば温室などへ入れて、温かくさせておくとよいでしょう。温室などのない場合は、ダンボールなどで保温してあげることが大切です。育て方のコツとしては、水・肥料を与えすぎないこと。室温が5℃以下にならないように注意すること。自然の光を当てること(当てすぎてもいけない)。花を咲かせるまでは、これらのことをしっかり守り手入れすることで、立派な花を咲かせることができるのです。胡蝶蘭は1本の花茎に2度花を咲かせることが出来ます。1つの花が咲き終わった後は、花茎基部から数えて、2・3節で花茎を切ることによって、3〜4ヶ月後に新しい花茎が伸び、再び、花を咲かせます。花は長持ちするとはいえ、先端まで咲き終えたら、1ヶ月くらいで株を休ませるために花茎基部から切り取ります。それが、今後、キレイな花を咲かせるためのコツです。胡蝶蘭はこのように、常に手入れが必要な観葉植物ですが、わが子のようにしっかり育てることによって、1月〜5月までの開花時期に、桃色・オレンジ色・黄色・黄緑色・白色・赤色の花を楽しむことができるのです。胡蝶蘭は、苗を育て花が咲くまでに2〜3年かかります。花の寿命は30〜60日と、とても長いです。
胡蝶蘭は、水ゴケに植えつけるのが好ましいです。肥料は基本的に与えないのですが、生育期や花をつける時期に、洋蘭専用の肥料などを与えるとよいかもしれませんね。
胡蝶蘭は、5月頃に2年に1度くらい、植え替えを行います。胡蝶蘭は、水苔が古くなるのを嫌うので、2年に1回は新しい水苔に交換したほうがよいでしょう。胡蝶蘭に最適な素焼きの鉢に植えるといいでしょう。
胡蝶蘭は、花茎に高芽が出ることがあります。胡蝶蘭は、もともと種で殖やします。フラスコの中に種をまき 無菌状態で、1年ほど培養します。胡蝶蘭以外の種類では、株分けすることもできるものもありますので、確認してみてください。
胡蝶蘭は、水を与えすぎることによる、根腐れや、ハダニやカイガラムシなどの病害虫が発生します。胡蝶蘭の株が蒸れことによって、軟腐病が発生する可能性も高いようです。いつまでも胡蝶蘭の花を楽しむためには、しっかりと病害虫がつかないように管理していくことが大切なのです。
胡蝶蘭の学名の「ファレノプシス」はギリシア語のPhalaina(蛾)の意とopsis(似る)に由来し、この種の花が、熱帯性の蛾に似ている事にちなんでいます。また英名でも「モス・オーキッド(蛾のラン)」と呼ばれ、和名の「胡蝶蘭」は、蝶が舞っているように見える姿からその名前がついたとのことです。
全体的に、花が左右にバランスよくつき、花の大きさにばらつきがないもの。花の輪数が多く花弁に厚みと張りがあるもの。葉は、艶と張りがあり葉の大きさが揃っているもの。茎は、太くて弾力があり根元から先端までまっすぐに伸びているもの。
胡蝶蘭などの洋ランは、その原産地によって、栽培温度が異なります。
最低温度が5℃〜8℃ぐらいで冬越し可能な種類。シンビジウム・デンドロビウム・パフィオペディラム・セロジネなど
最低温度が10℃〜15℃ぐらいで冬越し可能な種類。オンシジウム・カトレア・ミルトニア・リカステなど
最低温度が15℃以上で生育する種類。バンダ、ファレノプシス、デンファレなど
このように、品種によっては、温度差がかなり変わってくるので、その植物に適応した温度で管理するようにしましょう。プレゼントなどで販売されている胡蝶蘭も多く、贈られた方が育て方に悩んでいるということも多いです。実際花が咲いて、咲き終わった後、どのように育てればいいのか?悩みますよね。多くは、そのまま枯らせてしまうことも。しかし、ちょっとした心がけで、何年もキレイな花を楽しめる観葉植物として、温度管理と水分調節をしっかり管理して、また再び、美しい花を咲かせてみてはいかがでしょう。