よく分かる鏡の世界

普通の鏡

鏡の種類として、まず“普通の鏡”が挙げられます。ここで紹介する鏡は、手鏡や姿見鏡など誰もが持っていて、普段私たちがよく使っているものになります。このタイプの鏡が、一番多く作られていますね。これに用いられているガラスの特徴などを紹介していくことにしましょう。

一般的な鏡の特徴

私たちがいつも身だしなみをチェックしたりするときに使うのが、一般的なガラス製の鏡です。サイズは小さなものから大きなものまで、また形も四角かったり丸かったり…様々な種類があります。 種類が色々あっても、だいたいの鏡は共通の特徴を持っています。ここで、それらの特徴を紹介しましょう。

平ら!

一般的な鏡は平面度が高く、ゆがみもないため人や物がキレイに映ります。そのため、色々なお店の姿見として使われることも多いですね。

安い!

もちろんピンキリですが、比較的値段が安いことも特徴の1つになります。ただ、大きかったり、小さくても縁の装飾の豪華さなどによっては高価なものもあります。

加工しやすい!

普通のガラス板で作られた鏡は、加工がしやすいという特徴があります。このため、色んな大きさや形の鏡を作ることができるのです。

割れやすい!

加工しやすいということは裏を返せば、あまり薄すぎると割れやすいということも言えます。鏡が何らかの衝撃を受けるような場合には、なるべく厚いものを選ぶといいでしょう。

姿見鏡について

朝、通勤・通学する前に鏡の前で服装や髪型をチェックしますよね。全身が映る大きな姿見鏡を持っている人も多いと思います。長方形または楕円形の鏡を2本の支柱に取り付けたもので、この姿見は一般家庭のほかにも、スポーツジムやダンススタジオ、衣料品店などに置いてあります。


姿見鏡の変遷

姿見鏡は、18世紀後半のフランスで考え出されて、19世紀に世界中へ広まりました。日本へは明治時代に伝わりましたが、当時はその珍しさから室内の装飾品として用いられていたといいます。大正時代に入ると鏡台を兼ねた姿見鏡が考え出されたり、着物の着付けをする際に使うことができる、足元まで映る姿見鏡が作られるようになりました。それから様々なバリエーションの姿見鏡が登場し、今に至っているというわけです。

鏡に使うガラス

鏡に使われるガラスは「板ガラス」ですが、別名をフロートガラスともいいます。これはよく知られている普通の透明なガラスのことです。ですが、より正確には「板ガラス」に少し手を加えたものが“フロートガラス”と言われます。鏡の素板だけではなく、建築用や自動車用としてもこのガラスが広く用いられています。 ほかにも様々な種類のガラスがありますが、それらの多くはこのフロートガラスを特殊製法によって変化させているものになります。強化ガラスや防音ガラスもフロートガラスを加工して作ります。

フロートガラスの用途

フロートガラスは普通の鏡以外に、様々なものに加工されています。一番よく目にするものには窓ガラスがあります。純粋なフロートガラスを使っている窓ガラスも多く、それらは防湿や防音などの特別な加工が施されていないために、一般的に安い値段で販売されています。そのほか、ガラステーブル、ガラス棚板、棚の扉、それから水槽などにも利用されます。 厚みがあれば強度も増すため、高層ビルの窓ガラスやデパートのショーウィンドウなどの面積の広い場所にも用いられています。

こういった「大板ガラス」を作ることができるのも、加工しやすいフロートガラスならでは!装置や場所の制約上、幅こそ約4メートルと決められているものの、長さには制限がありません。大きなガラスを使い、雨・風や寒さをしのぎながら外からの光をたっぷり取り入れることで、より快適な建物になるのです。