よく分かる鏡の世界

マジックミラー

取調室のすくそばの“のぞき窓”から様子をうかがう…そんなシーンが刑事モノのドラマによくありますね。実は、この“のぞき窓”に使われているものがマジックミラーなんです!ここでは、そんなマジックミラーが一体どういった鏡なのか、その特徴や用途などを紹介していくことにしましょう。

マジックミラーの特徴

マジックミラーは日本語に直訳すると、「魔法の鏡」ということになります。その名の通り、これは片面が鏡、もう片面がガラスの役割を果たしているちょっと不思議な鏡です。半面ずつ違う役目を持っていることから、「ハーフミラー」とも言われています。

光の透過率を持つ!

ガラスの表面の金属膜が薄くなっていて、光を通すことができます。なので、鏡というよりも、もしかしたら“窓”と言ったほうがいいのかもしれません。ちなみに、光の透過率は、8パーセントとなっています。


片方は鏡で、もう片方はガラス!

マジックミラーの特徴として、明るいところからと暗いところからの見え方の違いが挙げられます。隣り合った部屋の真ん中の壁にマジックミラーを設置し、1つの部屋を明るく、もう1つを暗くします。明るい部屋からマジックミラーを見ると、普通の鏡に見えます。一方、暗い部屋からは向こう側を見通すことができます。 ですが、この鏡…もともと表や裏があるものではありません。そのため、外に置いている場合、昼間と夜間では見通せる面が逆になります。

マジックミラーの用途

上記のように表側が鏡で、裏側がガラスになっているため、暗い部屋の中から向こう側の様子を知ることができますが、明るい部屋から暗い部屋を見ることはできません。ここで、マジックミラーの用途を紹介します。

どこで使われている?

この特徴からプライバシー保護や相手をリラックスさせる目的で、面接室や遊戯場、動物観察室などにマジックミラーが使われています。このほか、銀行や様々な商店、コンビニなどの盗難・万引き防止にも大いに役立っています。取調室のほか、意外にも色々な場所で大活躍しているのです!

車にも使える!

さらに、最近は車の窓ガラスにマジックミラーシートを貼っている人がいますね。外から車内が見えなくなるので、たとえば車の中で子供を着替えさせたり、授乳しなければならなくなったときなどに重宝します。また、ちょっと仮眠をするときに寝姿を隠すのにも便利です。マジックミラーシートを使う際の注意点として、後部座席の窓にのみ貼るようにしましょう。運転席や助手席側に貼ると、車検にも通りませんし、何より違反になるので止めてください。

おもちゃにも使われている!

まさに、魔法のようなしくみのマジックミラーですが、人の様子を知るための鏡としてだけ使われるわけではありません。手品(マジック)の道具をはじめとして、様々な子供向けのおもちゃなどに利用されています。ドレッサーやアクセサリー類、万華鏡など女の子が喜びそうなものを中心として、その特徴を生かして多くのおもちゃにマジックミラーが使われているんですよ。

「熱線反射ガラス」とは違う!

下から見上げると、キラキラ輝いて見える高層ビルの窓ガラス。その輝きがいっそうビルを立派に見せています。一見するとマジックミラーのようですが、そうではありません。高層ビルの窓ガラスの多くは、「熱線反射ガラス」と呼ばれるもので、マジックミラーほど完璧には鏡の役目を果たしません。

「熱線反射ガラス」の特徴

「熱線反射ガラス」は、表面に金属酸化物を焼き付けたガラスになります。ガラスの表面がキラキラと輝いて見える理由は、この金属にあります。日射エネルギーを反射することで、差し込んでくる日射量を抑えて暑さを和らげる働きを持っています。それに伴って、室内で冷房をつける回数が減り、効果的に省エネ対策をすることができます。また、「熱線反射ガラス」はマジックミラーと同じ効果を持っているため、建物に個性豊かな表情を与えます♪