よく分かる鏡の世界

顕微鏡

顕微鏡の中にも、鏡が組み込まれています。極めて小さなものを拡大して、肉眼で見えるようにする顕微鏡に鏡は欠かせません。ここでは、顕微鏡の種類や使い方などを紹介していくことにしましょう。学校の授業などで使っていましたよね。この機会にミクロの世界をもう一度のぞいてみませんか?

鏡と顕微鏡

凸(とつ)レンズで拡大した像を、もう1枚の凸(とつ)レンズでさらに拡大した状態にして見る器械を顕微鏡といいます。顕微鏡に使われている鏡で一番分かりやすいものとして反射鏡が挙げられます。ここでの反射鏡の役割は、顕微鏡をのぞいたときに視野の明るさを均一にすることです。 さらに、望遠鏡や双眼鏡と同じように、様々な部分に使われているレンズも鏡の一種と考えるのであれば、対物レンズや接眼レンズも“鏡”ということになりますね。

顕微鏡の種類

様々な顕微鏡がありますが、その中の代表的な種類として、光学顕微鏡と電子顕微鏡が挙げられます。それぞれ、どんな特徴があるのでしょう?

光学顕微鏡

理科の実験などでも使われ、私たちにも馴染み深いのが光学顕微鏡になります。光学レンズを使うことで、人間の目では識別できないような小さなものを見ることができます。光学顕微鏡の中でも、さらに何を見るかによって生物顕微鏡、実体顕微鏡、偏光顕微鏡など、いくつかの種類に分けられます。

電子顕微鏡

光ではなく電子を利用するのが、電子顕微鏡になります。この電子顕微鏡は光学顕微鏡では見られない、すごく小さなものでも見ることができるという特徴を持っています。大きくは透過電子顕微鏡と走査電子顕微鏡に分けられ、工学や医学、農学などの幅広い分野で用いられています。

デジタルマイクロスコープとは?

みなさんは、「デジタルマイクロスコープ」という言葉を聞いたことがありますか?デジタルマイクロスコープは、光学顕微鏡の一種に分類されて、同じように光学レンズが使われています。ただ、普通の光学顕微鏡との違いは接眼レンズを通して見るのではなく、CCDカメラが搭載してあり、液晶モニター上で見るようになっている点です。“表示”“記録”“計測”などの機能が付いていて、誰でもデータ処理がスムーズにでき、低倍率から高倍率まで1台で観察できるのがデジタルマイクロスコープの特徴です。

顕微鏡の使い方

では、顕微鏡の使い方を見ていきましょう。安全に観察するためにも、正しい使い方を覚えてくださいね。

正しい場所に置く

明るく直射日光が当たらない場所で、観察しましょう。夜も必ず部屋の電気をつけて、明るくしてください。ライト付きの顕微鏡なら場所や時間を気にせずに使えます。また、顕微鏡がガタついたりしないように、安定した場所に置きましょう。

反射鏡を調整する

レンズが取り外しできるものの場合、まずは対物レンズと接眼レンズを取り付けましょう。顕微鏡をのぞきながら、反射鏡を調整します。視野全体が均一の明るさになればOKです。

プレパラートを準備する

観察するものを乗せたプレパラート(ガラスやプラスチック製のスライド)を顕微鏡の台に固定します。固定したら、対物レンズを真横から見て、焦点ハンドルを回します。プレパラートの上1ミリくらいに、対物レンズを下げましょう。

ピントを合わせる

今度は、ピントを合わせます。徐々に焦点ハンドルを逆方向に回していきましょう。ピントが合ったところで止めます。

観察位置や倍率を変える

プレパラートを少しずつ動かせば、観察位置を変えることができます。見える範囲は動かした方向と逆になるので、注意しましょう。また、複数の対物レンズがある顕微鏡は、倍率も変えられます。対物レンズを一番上にしてから、レボルバー(倍率切り替え部分)を回して調整します。