小麦のてんぷん質がアミラーゼの力によってブドウ糖に変化します。さらにブドウ糖が乳酸菌の働きで有機酸に変わり味を和らげて醤油の味をひきしめます。
食塩は仕込みから水に溶かして加えてあげます。腐敗菌をなどの悪いものを抑える効果もあり発酵に必要な微生物の働きをゆるやかにさせる力があります。
大豆は麹菌の力を受けやすくするために高温で蒸されます。が働くためには雑菌が無いことが大切です。そのための大豆の処理ということもあります。小麦も高温で炒ってから細かく砕いていきます。処理をして大豆と小麦は混ぜて麹菌を入れてあげます。
作られた醤油麹に食塩水を加えて木の桶(おけ)に入れていきます。醤油麹に食塩水を入れたものは「もろみ」と呼ばれて、長い時間をかけて発酵して別のものに変化していきます。もろみは麹菌が生み出す酵素によって変化し、大豆のたんぱく質は旨味にかわり、小麦のでんぷんは甘みに変化します。
発酵が終わったもろみはいよいよ醤油にするために絞られます。大きな布にもろみを包んで、その上にさらに積み重ねていくと、重なったもろみの重さで自然にゆっくりと醤油がにじみ出てくるのです。